優等生

「あと、咲羅には伝えたかったんだけど、、芸能界を引退する」

もう!?まだ25歳よね、芸能界を引退する歳じゃない

アイドルは24歳で引退宣言して、ファンとか運営が辞めないでって引き止めてたけど、無理やり引退したのよね
それで今は役者をやってるんだけど、それも引退か

「そうなのね、引退するには少し早い気もするけど、自分で決めたならいいんじゃないかしら」

「ま、そうだよね、咲羅ならそう言うと思った」

ファンの方とかミリスタのスタッフとかプロデューサーとかは悲しむだろうけどね
私に止める義理はない

「そういえば、アイドルオーディションってミリスタの研究生が受けるの?」 

このアイドルオーディションの趣旨がどんなのか、によるわよね             

「だいたいね、このアイドルオーディションに受かればアイドルとしてデビュー出来るから」

だいたい、ね              
スカウトとかはいないのかしら?      

「そうなのね、スカウトとかはいないの?」
「例外で一人だけ、咲羅のお兄様、羽呑くんがスカウトで受けるよ」

お兄様が、、アイドル?

「それも、羽呑くんのデビューは決まってる」
デビューが決まってる?じゃあなんでオーディションに
「オーディションの視聴集め、ってところかな」

お兄様を餌にして視聴者を集めるって、心底軽蔑する、反吐がでそうね
ま、小さい頃からこいつがクズってことは分かってたけど
 

「卯優、分かってんの!?」
「何を?」
「お兄様のこと」
「分かってるよ、再発したうつ病の治療が一ヶ月前に終わったことでしょ?」
「そうよ」
「まだ完治した分けじゃないからまた再発する可能性があることも羽呑が精神的に危うい状態だってことも」
「じゃあなんで」
「、、向いてると思ったから」
「アイドルやったらちょっとは羽呑の人生が変わる可能性があるから」
「でもお兄様がアイドル向いてるって限らないわよね、ていうか卯優、あんた羽呑お兄様を最初からこのアイドルオーディションにスカウトする為に子役を進めたの?」
「そんなことはないよ、子役は向いてそうだったから進めただけ」

卯優、黒羽優が口角を上げ、不敵に笑いながら言った
そうは思えないような表情ね