優等生

優さんが私になんの用よ
あ、でもこの後、ミリスタプロでアイドルオーディションがあって、その審査員を探してるって言ってたからそれかな?  
と、そんなことを考えていたらいつのまにか理事長室に着いていた

は、入るの初めてだから緊張するな
まさか入学早々に理事長室に足を踏み入れることがあるとは

「コンコンコン、失礼します」

ーーがらがらーー

そして理事長室のソファーには黒羽優がいた
黒羽優が、、いた?
※大事なことなので2回言いました

「あ、咲羅さん久しぶり、三年ぶりかな?事務所で見かけたことはあったけど、こうしてちゃんと顔を合わせるのは三年ぶりだよね」 

事務所で見かけた、、?
三年ぶり?
まぁいいわ、この人にはあんま好かれたくないし、適当に返事しときましょ
「はい」

「あ、理事長さん、一回席外してもらってよろしいでしょうか?」
「はい、全然構いませんよ」
「あ、咲羅さんも座ってください」

ーーガラガラーー

最悪、、黒羽優と二人きりになった
私この人苦手なのよね、なんか読めないし何考えてるか分からないもの

今、黒羽と私が向き合うようにソファーに座って居る
そして私は足を組んで座り
黒羽も足を組んでうざったらしい笑みを浮かべて居る
空気が悪い

「早く本題を言って」

そして、黒羽優が口を開いた

「咲羅ちゃん、なんか冷たくない?」

そう言われた瞬間、なんとなく私の笑顔が引き攣っているような気がした

「……そんなことないわよ、卯優さん」
「咲羅、本名はNGだよ」

そう、こいつ、黒羽優は私の再従兄弟
本名西園卯優(にしぞのうゆう)
年に一度、伊集院家の親族集まりであっているはずだが、去年と一昨年はちょうど卯優さんが売れていた時で毎回欠席していた

「ていうか、私になんの用?」

「そうだよね、急にごめんね、咲羅にアイドルオーディションの審査員と見届け人を頼もうと思って」

「……え?」

「アイドルも演技が必要なんだ、だから咲羅には演技力を見極めて欲しい、あと見届け人も、そういうのは何回もしてきたでしょ?」

演技、、ね、確かにアイドルにも演技は必要だわよね
見届け人の方も、他のアイドルオーディションとか役者のオーディションで何回もやってるし
「分かったわ」