「へー、伊集院家って多才な人多いんだね」
「まぁ、側から見れば、そうなのかもね」
「え?側から見ればってどういう……」
「伊集院家の人は確かに多才な人が多いけど、頭のネジが外れてたり、精神的に弱かったり、一つ分野だけ、極端に出来なかったり、そんな感じなの」  

有紀ちゃんと妃桜さんだってそう、頭が凄く良いのに、頭のネジが何本か外れてる、元々外れてはなかった、自分では気づいてなさそうけど、アホみたいな言動や行動をたまにするのは、心の何処にある寂しさを紛らわしたいから、自分たちが気づかずにアホを“演じてる”。

「え、、どうして」
「みんな、生まれ育った環境でそうなってるのよ、伊集院家の子は、小さい頃からずっと、両親とは一年に6回程度しか会えてないのよ、同じ家にいても、顔を合わせないし会話を交わさないの」  

「自分がどうなってるかなんて分からない、だから私も、気づいてないけど、どこかおかしくなってると思うわ」

「…違う、、、咲蘭ちゃんはおかしいところなんてないよ!」

「ううん、環境がそうしてるから、伊集院の人はみんなそうだから…お兄様だって」 

お兄様は、孤独恐怖症と愛情遮断症候群、孤独が怖いと感じる。
幼少期に、十分な愛情を注がれなかったことが原因で成長が遅れて、身長が同年代の子より低い。
お兄様の場合、元々情緒が不安定だったけど、小学生の頃のある出来事でもっとひどくなった  

「ごめん、嫌なこと思い出させちゃったね」 
「大丈夫」
「あ、教室着いたよ」