問題があるのは、なぜか言うことを聞いてくれない私の体だ。

 HIROが死んで以来、体が鉛を四肢に付けられたように重くて動かない。
 ベッドの上で生活をしなければならないが、食事も持ってきて貰えるし問題はない。
 私は自分が想定以上に人生の楽しみをHIROに依存してしまっていた事に気がついていた。
(このまま寝たきりになって何か困るかしら?)

 半年間、お見舞いに来てくれたのは婚約者の曽根崎玲だけだ。

 母も私に自分の浮気がバレてから、気まずくなったのか家に戻らなくなった。
 私を利用した家族円満アピールができなくなったからだろう。