完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法

 再び『スーパーブレイキン』の会報をめくっていても、彼女が話しかけてくれるかは分からない。自分から話しかけて、怪訝な顔をされるのも怖い。

 私はとりあえずHIROを助ける為に彼の事務所に向かった。

 私を襲おうとした上に、「嫌い」とまで言って私を傷つけた彼をなぜまだ助けようとするのか自分でも不思議だ。

 でも、彼が私の孤独を埋めてくれたヒーローであるのは事実。

 彼を推してテレビや雑誌を見て応援していた時間は沢山私を癒してくれた。私はまだ何か仕込まれているかもしれないスマホを机の上に置いたままにして、私服に着替え財布だけ持って家を出た。

 ♢♢♢