完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法

「はぁ⋯⋯ぼーっとしてないで、お茶くらい入れてくれないの?」
 席に案内するわけでもない、お茶を用意する訳でもなく無言で私の後ろに立っているHIROに違和感を感じた。

「あっ、ごめん。今、お茶出すわ」
 HIROは私の言葉に慌てて、コップに水道の水を入れて渡して来た。
 私はそれを突き返す。
(お茶じゃなくて、水だし⋯⋯)

「要らない! 水道の水なんか飲める訳ないじゃない」
 日本の水は飲み水として安全だとは知っているが、この私に水道の水を飲めという人間がいるとは思わなかった。

「ちょっと待って! 凛音ちゃんって、俺のファンなんじゃないの?」
 HIROが戸惑ったように頭を掻く。