完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法

 私は緊張して変な事を言ってしまったのかもしれない。
(もっと人と話す練習⋯⋯しとけばよかった⋯⋯)

 美湖ちゃんという手放したくない存在ができた。自分のコミュニケーション能力のなさを痛感すると、呆れられ彼女を失う日が来そうで怖い。

「こちらがスタジオです。まだ、メジャーとも言えない『スーパーブレイキン』を応援して頂きありがとうございます」

 私は皮肉にも『スーパーブレイキン』がHIROの訃報でトップの全国ニュースになっていた事を思いだし唇を強く噛んだ。
 美湖ちゃんパパが扉を開けると、爆音で音楽を流しながら激しく踊っている『スーパーブレイキン』のメンバーがいた。

「HIROだ⋯⋯」