完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法

 私とHIROはお付き合いさえしていない関係だ。
 それなのに、本当に彼はせっかちで前のめりで計画性がない。おそらく私の最初の人生で私に関わったことで、彼はしなくて良い苦労をした。


「トップアイドルになったら、結婚しても良いよ」
「それってOKって事だよな」
 私は彼が将来トップアイドルになる事を知っているが、今はまだ駆け出しのアイドルだ。

「HIROは本当に自信家だね。全然好みのタイプじゃなかったのに、カッコよく見えてくる」
 私の言葉にHIROがニカっと笑った。その姿があまりにキラキラしていて、彼はやっぱり私のヒーローだと思った。

 その時、門の前に見慣れた兄の白い車が止まった