「玲さん、私、結婚していた時の記憶を思い出したよ。私にとって玲さんとの結婚生活は地獄だった。玲さんは、私の事を全く信用しないし尊重もしてくれなかったよね。何度、時を繰り返しても、玲さんとだけは一緒にならないよ。私たちは終わったの」

 玲さんは私の言葉に絶望的な表情を浮かべながら崩れ落ちる。あれほどに身勝手に私を束縛して過ごして来たのに、彼にとっては幸せな結婚生活だったのだろう。
 玲さんは本当に美しく優秀で誰もが認める完璧な男だ。
でも、私はもう彼とは一切関わりたくない程に彼に傷つけられた。私と兄は廊下で足をつく曽根崎玲をを置いてスタジオに向かった。