完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法

 私は無自覚に笑われるような事を言ってしまう時がある。何を言えば笑われないのか未だ理解できない。思ったことをそのまま言っているだけだ。

「ねっ! 凛音ちゃんはキャラも良いし。顔も良いし。演奏技術もハンパないんだから! あっという間に、この子人気出ると思わない?」
 私の頭を奈美子さんが撫でてくる。私にそんな事をしてくるのは兄の博樹くらいだったので、心がくすぐったくなる。

「確かに、天然お嬢様受けそう。でも、親とか学校の許可はとってるの?」
 MAIさんが首を傾げながら尋ねてくる。