でも、私は自分の人生を捧げたいくらい愛する人がいる。それは、婚約者の曽根崎玲ではなく、アイドルのHIROだ。HIROはアイドルグループ『スーパーブレイキン』のセンターで私の神。歌も踊りも上手で、いつも楽しそう。彼を見ているだけで友達が1人もいなくても私の毎日は充実している。

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 今日は私の17歳の誕生日だというのに一人朝食をとる。
 母も留守で、父は愛人宅だ。
 母自慢の優秀な兄はこの家に愛想をつかせて出て行ってしまった。

 私たち家族が四人揃って食事をすることは、記憶にある限りこの3年間で1度もない。

 外から見れば仲良し家族で、母はそれを常にSNSでアピールしていた。