「電車に乗ったら、見知らぬ人間からこういう事をされるよ。だから、電車に乗るのは許さない」
私に静かに言い聞かせて来るように彼が伝えてくる。
心底、私を心配するような彼に胸が苦しくなった。
(私、玲さんのこの顔も見たことあるような気がする⋯⋯)
「分かった⋯⋯」
「このマンションにいる間の送り迎えは僕がする。普段と違う道を通ったりする時って事故とか起こりやすいし心配なんだ」
「いいよ。行きの送りだけで⋯⋯」
私がつれなく言った言葉に、彼が傷ついた顔をした。
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