「はぁ、玲さんって本当に不躾な人⋯⋯。紳士的にクリスタルのグラスに注いでくれても良いのに、この私にタコみたいにペットボトルに吸いつけって? その一手間もかけられないって、どんな教育を受けてきているんだか⋯⋯」

 私は再び毒を吐きながらペットボトルに口をつけた。

 本当は喉がカラカラで死にそうだった。
 このような絶望的な私を見捨てずに毎日見舞いに来てくれる玲さんにお礼を言いたかった。
 でも、口から出るのはいつも憎まれ口だ。
 素直になって感謝など言ったら死ぬ病気でも患っているのかもしれない。
 それくらい私は彼の前では悪態ばかりついてしまっていた。