完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法

「チャンスをくれるの? あと、1ヶ月⋯⋯いや、1週間経っても別れたいと思うなら婚約破棄に応じるよ」
「本当に? 1週間後には婚約破棄してくれるの?」
「ハハッ! そこまで喜ばれると流石にキツイな。どうする? 引っ越しはやめる?」
「ううん。この1週間はこの家を出るよ。玲さんは私の引っ越し先には来ないでね」
 私の彼に対する冷ややかな態度に周囲が騒めいた。
 
「分かった。凛音の言う通りにするよ、でも、せめてマンションまで送らせて」
 玲さんがスッと立ち上がり、私の真っ赤なスーツケースの取手を持って屋敷その外に出ようとする。使用人たちはまるで彼がこの屋敷の主人であるかのように一斉に頭を下げた。