「待って、凛音ちゃん。アクアラインって風が強いと止まるのよ。風が強い日はお休みするの? カメハメハ大王になっちゃうわよ。そもそも、千葉といっても別荘があるのは舘山だからね。アクアラインは木更津と神奈川の川崎を結んでいるのよ」

(カメハメハ大王? どこの国の人?)
先程まで真剣な顔をしていた母がケタケタと笑っている。
母は笑上戸で本来ならば、よく笑う人だった。

「神奈川って東京から近い場所にあった気がするけど⋯⋯」
「神奈川は東京の下だろ!」
 HIROがしたり顔で間違いを教えてくる。
「東京の下はブラジルだよ!」

 母が私とHIROのやりとりを見ながら、ますます楽しそうにしている。