(でも、肝心のお父様の心はもうお母様にはないのに⋯⋯)

「あのさ⋯⋯私の為を思って別れてくれない? こんな愛人宅に入り浸りの父親がいるなんて思春期の娘に害悪だとは思わないの?」

「いや、絶対に別れたくない。私は子供が欲しくて結婚したんじゃないもの! 清十郎さんが好きで結婚したんだもの」
(お父様と結婚できたのはお兄様を孕ったからでしょうが⋯⋯)