年配の男性と草井奈美子が写っている写真が飾ってある写真たてをひっくり返して開くと、もう一枚写真が隠れていた。
 そこにあったのは仲睦まじく写る4人家族の写真だった。

「私たち家族が揃って撮った最後の写真なの。私が16歳で、真紘が8歳の時かな」
 草井奈美子はそう言うと静かに涙を流し始めた。
 私はちゃぶ台の上の雑巾を彼女に差し出すHIROの手を制して、レースのハンカチを彼女に渡した。

 写真には小学校低学年くらいのHIROと一緒に、彼によく似て可愛らしいヤンチャな笑顔をした高校生くらいの女の子が写っていた。

「こんなに可愛いのに、何で整形なんか⋯⋯」