アパレルブランド『トライアンフ』の社長令嬢の私、柏原凛音(りお)は生まれながらに全てを持っていたはずだった。
恵まれた容姿に、打ち出の小槌のように出てくるお金。経済的な苦労もなかったし、親が用意してくれた美形の婚約者もいた。私は生まれながの勝者だと自覚していた。だから人に媚びることもなく、好きなように過ごしてきたつもりだ。
⋯⋯本当に自分の決められた将来を窮屈に思わなかった?
暇すぎるせいか何度も誰かが私の脳内で問いかける。
⋯⋯私の人生は決められたレールを走っていて、私に自由はない。
恵まれた容姿に、打ち出の小槌のように出てくるお金。経済的な苦労もなかったし、親が用意してくれた美形の婚約者もいた。私は生まれながの勝者だと自覚していた。だから人に媚びることもなく、好きなように過ごしてきたつもりだ。
⋯⋯本当に自分の決められた将来を窮屈に思わなかった?
暇すぎるせいか何度も誰かが私の脳内で問いかける。
⋯⋯私の人生は決められたレールを走っていて、私に自由はない。



