「貴様は吸血鬼の王子だというのに……」

もう何度聞いたセリフだろうか……

”血が飲めない落ちこぼれ”

吸血鬼とは、人間の血を吸い生き長らえている存在。
血が吸えないなど持っての他である。

「戴冠式までに、血が飲めるようにするために、貴様を人間界へ行かせる!!」

父はフンと鼻を鳴らしどこかに行ってしまった……。



これが昨日の出来事……、

流石仕事が早いというか俺は今香澄原高等学園の前に立っている。

ゴクリと喉が波打つ……。

「い、行くか……」

恐る恐る1歩を踏み出したとき、横から人影が見える

「あ!避けて!!」

築いた時には俺は全身びしょ濡れになっていた……。

「……」
「ご、ごめんなさい!!!」

じょうろをそばに置きハンカチを手に持つこの人間……。

ひなことの最初の出会いだった。