焦がれる吐息



𓂃◌𓈒𓐍




ふわあ、と気の抜けた欠伸をしつつ、なんとなくスマホをいじりながらほんの少しぼーっとする。

時刻はAM10:20。

大学が休みだからって、さすがに寝すぎた。隣でいびきをかいていたケンちゃんは、いつの間にかいない。

もう仕事に行ったのかな、お腹すいたな……なんてのんびりベットを抜け出し、寝室をでてすぐ。


寝起きの目は、きょとんと丸くなる。


「……え、」


なぜか、部屋が綺麗になっている。

昨夜ケンちゃんと呑んだあと、一応片付けたけれど、それよりも、もっともっと。

いや、綺麗になっているどころか……


「……お花…?」


ピカピカに磨かれたガラステーブルの真ん中には、一輪の白色のお花がちょこんと飾られていて。

なにも置かれていなかった真っ白のソファーには、もふもふしたうさぎのぬいぐるみと真っ赤なハートのクッションが置かれていた。どちらも見覚えはない。


……いや、なぜ…?と、恐る恐るぐるりと一周目を走らせれば。


小物だったり、置物だったり、質素だった私の部屋がどうしてかいかにも“女の子”な部屋に変身している。


犯人はひとりしかいない、ケンちゃんの仕業だ。