焦がれる吐息




堰を切ったように烈しく、積もり積もった感情に追われるように接吻は繰り返された。

シーツに縫い付けられた手首から、彼の手が私の手のひらに重なる。指と指は絡み、ぎゅ、と繋がれた手を無意識に握り締め返す。

深い波が幾度も寄せては返して、でも不思議と息苦しさを感じなかった。

荒々しさの中にも、彼らしい丁寧なくちづけに自然と絆される。抗う選択肢はなく、ただ身体の芯が、じりじり燃えていくのを覚えていく。


脳内は既に弾け切って、もう、溺れかけている頃。


互いに熱い吐息を溢しながら、彼はゆっくりと離れていく。

儘ならない呼吸の狭間、とろんと重い瞼の直ぐそこで、彼はやさしく笑ったような気がした。

後頭部にはしなやかな指先が差し込まれ、広い胸元にそっと抱き寄せられる。



「……好きです、本当に好きです」



耳元で、切実な声が響く。



「触れても触れても、澄香さんが欲しいという感情が消えてくれないんですけど、どうしたらいいですか」


弱りきっている囁きに、強く胸を打たれる。


今更頬の火照りを感じながら悶えるように唇を引き結んでいれば、温もりが緩まる。

顔を上げ、百瀬くんは私を見下ろす。絡み合う互いの瞳の温度は、先程よりも遥かに甘く熱い。

彼はふっと目を柔らかに細め、


「……俺は、澄香さんが思っている以上に貪欲な人間です。きっと、この先も一生貴女を求め続けるけど、お願いだから拒まないで、嫌わないで。澄香さんは何も考えないで、ただ俺を感じていてください」



追い討ちをかけるように降り注ぐ美しい青の瞳は一層に揺れ、彼の長い指の背はつうーっと私の頬を撫でる。

これまで散々遠回りしてきた彼の願いが、濁流のように何度も心を震わしてくるものだから、とうに心臓は限界を超えていた。