咄嗟に出た脈絡の無い問いに、沈黙を生んでしまった。
ちら、と横目で反応を盗み見れば、案の定、百瀬くんは長い睫毛をぱちぱちと瞬かせている。
その表情がなんだか久しぶりで、自ずと口元は綻んでしまう。
「……ケイトが食べたいって言ってたけど、私には全然分からなくて。」
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『しーちゃんのご飯、そんなに美味しいんだね』
『うん!たがもやきがいちばんすき!!』
『たがもやき?』
『うん、たがもやき!!』
『……うーん、たがもやき…』
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穏やかな記憶は、心をじんわりと温かくする。
百瀬くんの世界は、どんな世界よりもきっと綺麗で澄んでいる。
「ケイトだけじゃなくて。ここにいる全員、みんな口を揃えてしーちゃんの作ったご飯じゃないと食べられないって」
「……」
「……凄いですよね、百瀬くんって」
「……」
「百瀬くんの存在に助けられてる人しかいないんですよ、ここには」



