焦がれる吐息






「……百瀬くんが大好きって現実。」



だから一緒に帰って、一緒に愛を紡いでいこう。


愛され慣れてない私達だけれど、私たちらしく愛し合っていこう。




「……な、に、待ってくださいほんともう…」

「ふふ、いや早く帰りたいんですけど」




いつまでも現実を受け入れてくれない百瀬くん。こんなにも盛大な演出をしたのは自分のくせに。


彼本来のやさしい香りを味わうように穏やかに目を瞑り、照れを誤魔化すように彼の胸に頬を寄せる。

すると、言葉にならないとでも言うように深い溜め息が私の耳に触れた。


彼の感情まじりのその吐息はどんな言葉よりも何よりもこそばゆくて、熱くて、幸せな音色のように私の心に染み広がった。