焦がれる吐息





いっとき、世界は眠るように静まり返った。


絡み合う青の瞳が、信じられないとでも言うように見開き、彼はただ固まるばかりだった。

その反応が、まるで愛を返されることに慣れていないようで、尚更に愛したくてたまらなくなる。


「ねえ、百瀬くん、」



大丈夫、安心して、これからもっと上手に伝えていくから、そんな意味を込めてもう一度大切に彼の名前を呼んで。


「そろそろ恥ずかしいから、」


———帰ろう、一緒に。


そう口にしたとき、彼の時が動く。

美しい顔ははっと笑い泣き出すようにして崩れ、すぐにその泣き顔は片手で覆い隠された。

それに瞠目した瞬間にはもう、彼に触れていた手が思いっきり引っ張られる。


「っ、」


息が止まるほどに強く抱き締められ、



「……なに、ゆめ…?」



一番に耳元で落とされた彼の呟きは、感極まってるように震え濡れていた。

やっと返ってきたその言葉はやっぱり信じられないようで、上手く状況を飲み込めていないようだった。

それなのに痛いくらいに抱き締めてくるから可愛くって、思わず彼の腕の中で息を吐くように笑って、そうして大切に抱きしめ返す。