焦がれる吐息





愛ってなんだろう。男ってなんだろう。

ふらふらと立ち上がって、外に出た。

当てもなく、ただ無心で、真っ暗なトンネルの中を歩くように、只管に夕焼け空の下を一人でとぼとぼ歩いた。


徐に、静まり返った住宅街にコツ、コツと、自分ではない足音が響く。

その不気味な音は、後ろからぴったりとついてくる。

心臓が、少しずつ嫌な音を鳴らし始める。

さり気なく早歩きをしてみる。

同じように足音も速くなる。

携帯も置いてきてしまった。目だけを必死に彷徨わせても、助けてくれる人影なんて一つもない。

振り向いたらきっと駄目だと思った。

でもその足跡は容赦なく近づいてくる。

そして、とうとう、夕焼けに染まる道に伸びた自分の影に長い影が重なった。


膝が震え、涙を堪え、息を呑んで、

恐る恐る、振り向いた———