「めちゃくちゃ本音で、本気です」
百瀬くんは、この息苦しい迷路から逃してくれない。
「伝わらないなら、もう一度」
容赦なく、でも優しく、艶やかなときめきをぶつ
けてくる。
「少しだけ、リビングで待っててもらえませんか?」
求めるように手を伸ばし、私の頬を指の背で慎重に撫でる。
そして、確かな熱を孕んだ瞳を真っ直ぐに捧げてくる。
“男に対してスミちゃんの目がハートになる事なんて、絶対にあり得ないもんね?”
———今、私はどんな目をしているだろう。
まるで警告するように心中を掠めた言葉に、可愛くないカップ麺を抱き締めて。
美しい顔に惜しげもなくやさしさを広げる百瀬くんに、下唇を噛み締め、静かに目を伏せた。
「……量多いし、猫舌だから、食べるの時間掛かるかも」
でも、もう、どうしても抗えない。
「……だから、ゆっくりで大丈夫です」
もう、“そういう感情”を抱かない方が難しい。



