焦がれる吐息




慣れない鼓動が、激しく脈打つ。



「……雨の中、探してくれて」



連絡も無い、どこにいるかも分からない人間を探すのはどれほど大変だっただろう。



「……煙草も吸わずに、看病してくれて」



サイドテーブルの上、漂う彼の香り、薄明かりに照らされた自分の部屋は、なんだか気恥ずかしくて、でもいつもより温かく感じる。

言葉にしない彼の優しさは、星屑のように至る所に光り散りばめられていた。


「凄く助かったというか、何ていうか、その、」


それに対して、私はちゃんと言葉で返さなければいけない。


“ 百瀬くんを、私が嫌う男と同じ括りにしていいのか”、当初自分の中で芽生えた問いを、今は完全に否定することが出来るから。


私も、百瀬くんのこと、もっと知りたいから。



「……百瀬くんがいてくれて良かった。ありがとう」



そっと伏し目に、今の精一杯を紡いだ。