「……本当にすみません…この度は多大なるご迷惑をお掛けしたようで…もう、ほんとにあの、」
シーツという名の殻の中で目をぎゅうと閉じ、柄にもなくモゴモゴと口籠る。もう百瀬くんに合わせる顔がない、一生。
彼がかなり大変だったと言うくらいなのだから、余程大変だったのだろう。
せめて、どんな失態を……と無い記憶をフルスピードで掘り起こそうと手汗を握り締める。
すると徐に、シーツの向こう側、静けさの中でふっと吹き出すような笑声が響いた。
その艶やかな音は、聞き覚えがある。彼が目尻をくしゃ、とさせて可笑しそうに無邪気な笑みを咲かせた時と同じだった。
急に何事…?とおずおずと目を開ければ、
「……ほんと、可愛すぎて大変です」
何か愉しそうな囁き声とともに、微かな衣擦れの音がした。
そして突然、私の真横で深くベットが沈む。
ギシリとさらに体重をかけたような音と、唐突に至近距離にきた彼の気配に息を呑んだとき。
一枚の薄い布ごし、おでこの辺りにそっと、柔いものが静かに触れた。



