焦がれる吐息





途端に鼓動は慌て始め、不安が絶望の風船を膨らませる。


優しい彼の事だから、心のどこかで「気にするほどでもないですよ」なんて言ってくれるのを勝手に期待してしまっていたのだ。


けれど、百瀬くんは垂れた眉をきゅと苦しげに寄せて、息を吐くように小さく笑みを溢した。


「…そうですね。ある意味、かなり大変でした」


さあーっと、全身の血の気が引いていく。思わずガバッとシーツを頭から被り必死に隠れる。


「(……私、何やらかした?)」


そう言われてみれば、百瀬くんが少し疲れ切っているようにも見えるのに。

焦燥感、羞恥心、後悔、申し訳なさが一気に押し寄せて、シーツの中で三角座りした身体をぎゅうぎゅう最大限に縮こめて小さくなる。

嫌でも視界に入る露出した自分に泣きたくなった。呑気にシャワーを浴びて、呑気にこの見苦しい姿を百瀬くんに晒したのか。

お気に入りだったはずのルームウェアが今は憎い。薄暗闇に映えるラベンダー色のサテン生地が、何とも下品だ。


薬局だって、深夜に営業している店は徒歩では結構な距離がある。

酔っ払いの私の為にわざわざ買いに行ってくれたんだ……そう思うと、彼の優しさが余計に鼻の奥をツンとさせた。