雪なんて大嫌いだ。





朝祈るような気持ちでカーテンを開けた時、昨日までなかったそれが外を覆い尽くしている絶望感。

早朝に叩き起こされて強制される、雪かきという重労働。
スコップでひたすら雪を掻いて道を切り開いている時は、原始人にでもなった気分だ。

中途半端な雪かきのせいでデコボコ不安定な道を歩くのも嫌いだし、かといって雪に足を埋めながら歩くのはもっと嫌だ。

足は霜焼けだらけになって痒くてたまらないし、どんなに厚着をしても寒い。

そもそも白って色が寒々しい。

空は毎日どんよりした鉛色で、気分まで暗くなる。







除雪下手な中途半端な雪国に生まれたことを、冬が来るたびに恨めしく思っていた。



…だから、大学は雪の降らない場所を選んだ。