「で、なんで一昨日あんなおかしなことしてたの?…その、裸足でくるくる。」
ココアの話題から離れたくて、思いついた話題をふる。言った後で、キテレツの思考を少しでも理解してしまったら不味いと思ったけど、後には引き返せなかった。
「あぁ、あれ?生まれて初めて雪が積もってるのを見て、嬉しくなっちゃって!」
なんの躊躇いもなく、あっけらかんと答えるユキ。
…あぁ、よかった、キテレツの思考回路は理解不能だ。
「私ね、雪が降らないトコ出身だから生で雪が降ってるのも見たことなくて!
でね、見たいものも行きたいところもしたいことも山ほどあるんだけど、中でも1番は雪景色を生で見ることで…」
聞いてもいないのに、雪への憧れを夢中で話すユキ。
まっさらな銀世界。
陽光が反射して輝く雪面。
舞い散る粉雪。
そこに思いっきりダイブしたい…
ユキの話は、過酷な雪国に生まれた僕にとってはまるで現実がわかっていない夢物語だ。
「…でね!…って、悠人くん、聞いてる?」
首を傾げて訝るユキに、我に返って取り繕う。
「あぁ、うん。…行けるといいね、そんな雪国。」
「うん!ありがとう。」
“雪なんてそんないいものじゃない”
そう言えなかったのは、なんでだろう?
ココアの話題から離れたくて、思いついた話題をふる。言った後で、キテレツの思考を少しでも理解してしまったら不味いと思ったけど、後には引き返せなかった。
「あぁ、あれ?生まれて初めて雪が積もってるのを見て、嬉しくなっちゃって!」
なんの躊躇いもなく、あっけらかんと答えるユキ。
…あぁ、よかった、キテレツの思考回路は理解不能だ。
「私ね、雪が降らないトコ出身だから生で雪が降ってるのも見たことなくて!
でね、見たいものも行きたいところもしたいことも山ほどあるんだけど、中でも1番は雪景色を生で見ることで…」
聞いてもいないのに、雪への憧れを夢中で話すユキ。
まっさらな銀世界。
陽光が反射して輝く雪面。
舞い散る粉雪。
そこに思いっきりダイブしたい…
ユキの話は、過酷な雪国に生まれた僕にとってはまるで現実がわかっていない夢物語だ。
「…でね!…って、悠人くん、聞いてる?」
首を傾げて訝るユキに、我に返って取り繕う。
「あぁ、うん。…行けるといいね、そんな雪国。」
「うん!ありがとう。」
“雪なんてそんないいものじゃない”
そう言えなかったのは、なんでだろう?



