(なんで今日もそこにいるんだ!?)
講義はどうした。無視だってしたじゃないか。
頭の中はパニック状態。怪しむ環を誤魔化し誤魔化し、1階にあるカフェスペースへと歩き出す。
イヤ待て。僕を待ってるとは限らないじゃないか。
ただ休んでいるだけなのかも。友達を待っているだけかもしれない。
そうだ、僕を待っているわけじゃない。
都合よくそう結論づけて、僕はしばらくの間環とカフェスペースで談笑して過ごした。
1時間くらいして、食堂が混む前に移動しようということになり、校舎を出る。流石にもういないだろう、そう思いながらも僕は広場のベンチからなるべく見えないように、不自然なくらい環の左隣にぴったり並んで歩いた。
気づかれることなく広場の前を通り過ぎた後、さりげなくベンチの方に振り返る。
(なんで、まだいるんだよ…。)
そう思ったのに、まだ“彼女の待ち人は僕じゃない”と言い訳をして歩いた。もう振り返っても姿が見えないところまで来たのに、悴む両手を口元に当てて、寒そうに、寂しそうに縮こまる姿が離れなくて苛立たしい。
「環ごめん、忘れ物。悪いけど昼ごはんは他の人と食べて。」
それだけ伝えて返事も聞かずに回れ右して走り出す。環の「意味わかんねー!」という声が遠くで聞こえた。
講義はどうした。無視だってしたじゃないか。
頭の中はパニック状態。怪しむ環を誤魔化し誤魔化し、1階にあるカフェスペースへと歩き出す。
イヤ待て。僕を待ってるとは限らないじゃないか。
ただ休んでいるだけなのかも。友達を待っているだけかもしれない。
そうだ、僕を待っているわけじゃない。
都合よくそう結論づけて、僕はしばらくの間環とカフェスペースで談笑して過ごした。
1時間くらいして、食堂が混む前に移動しようということになり、校舎を出る。流石にもういないだろう、そう思いながらも僕は広場のベンチからなるべく見えないように、不自然なくらい環の左隣にぴったり並んで歩いた。
気づかれることなく広場の前を通り過ぎた後、さりげなくベンチの方に振り返る。
(なんで、まだいるんだよ…。)
そう思ったのに、まだ“彼女の待ち人は僕じゃない”と言い訳をして歩いた。もう振り返っても姿が見えないところまで来たのに、悴む両手を口元に当てて、寒そうに、寂しそうに縮こまる姿が離れなくて苛立たしい。
「環ごめん、忘れ物。悪いけど昼ごはんは他の人と食べて。」
それだけ伝えて返事も聞かずに回れ右して走り出す。環の「意味わかんねー!」という声が遠くで聞こえた。



