「…青池 悠人……です。」
マフラーに顔半分埋めたまま、くぐもった声で答える。葉山ユキと名乗った雪女は、「うんうん、悠人くんね!」と満足そうに頷いた。
「私のことはユキでいいよ!よろしくね、悠人くん!」
「はぁ、…ユキ、さん…。」
“できればよろしくしたくないんだけど”なんてハッキリ言えない自分に溜息。気づいていないのかフリなのか、ユキは「さんなんていらないのにー!」と唇を尖らせている。
「ユキさ…ユキは講義は何時間目からですか?看護は忙しいって聞いたことありますけど。」
「敬語もいらない!」
早くサヨナラしたくて話題を振ったのに、ユキはまたも話し方に引っかかって頰を膨らませる。このままではいつまで経っても切り上げられないと思い、タメ口に変換してもう一度同じことを聞いた。
「今日は3時間目からなの。でも、悠人くんとお話ししたいなと思って朝から待ってみた。」
僕のタメ口に満足したのか、ユキは柔らかく笑って無邪気に真っ直ぐな言葉をぶつけてくる。…これがもっと普通の女の子からの言葉だったら、僕だって少しは嬉しいと思うんだろうけど。今はホラーでしかない。
「名前も知らなかったのにどういうことですか…だい?」
マフラーに顔半分埋めたまま、くぐもった声で答える。葉山ユキと名乗った雪女は、「うんうん、悠人くんね!」と満足そうに頷いた。
「私のことはユキでいいよ!よろしくね、悠人くん!」
「はぁ、…ユキ、さん…。」
“できればよろしくしたくないんだけど”なんてハッキリ言えない自分に溜息。気づいていないのかフリなのか、ユキは「さんなんていらないのにー!」と唇を尖らせている。
「ユキさ…ユキは講義は何時間目からですか?看護は忙しいって聞いたことありますけど。」
「敬語もいらない!」
早くサヨナラしたくて話題を振ったのに、ユキはまたも話し方に引っかかって頰を膨らませる。このままではいつまで経っても切り上げられないと思い、タメ口に変換してもう一度同じことを聞いた。
「今日は3時間目からなの。でも、悠人くんとお話ししたいなと思って朝から待ってみた。」
僕のタメ口に満足したのか、ユキは柔らかく笑って無邪気に真っ直ぐな言葉をぶつけてくる。…これがもっと普通の女の子からの言葉だったら、僕だって少しは嬉しいと思うんだろうけど。今はホラーでしかない。
「名前も知らなかったのにどういうことですか…だい?」



