前話の続き。
床に座り込む清華とカッターを持つ千原。
清華(え、嘘…どうしよう…。別棟はこの時間誰もいない…)焦る
清華に詰め寄る清華。
千原「別れてくれたら済む話なの」
清華(どうにか切り抜けないと…)
隼人「何してんの」声のみ
ばっ、千原が声の方を向く。
入り口に隼人と目黒がいる。
清華(…!!)
目黒「もぉー、女の子がカッターなんか持ったら危ないでしょー」
すっ、清華の側に行きしゃがむ隼人。
隼人「大丈夫?」
清華「う、うん」
手を取り、立つ2人。
目黒「兄弟揃って暴力的なんだからー」
千原「は?何のこと?」
目黒「…先月、倉庫で清華ちゃんの友達ボコボコにした中に千原の兄ちゃんいたよね?」
気まずそうに斜め下を向く千原
清華(え…)
隼人「身内がやられたからって清華に復讐すんのやめて」
千原「お兄ちゃんは関係ないっ!…1年の時からずっと久城が好きだった。お兄ちゃんの因縁の相手と仲良いって知ってもそんなのどうでもよかったの。…だけど、その妹と付き合うなんて…許せなかった。あいつの妹だからって気に入られて…」
隼人「はぁ…うざ」
千原「え…」
隼人「何勘違いしてんのか知らねーけど、妹だからとか関係ないから。清華だから好きになったんだよ。もし、勇清さんの妹が千原だったら好きになってないし」
千原「…っ」ショック受けている
目黒(うわー相変わらずの冷たさー。俺なら泣いちゃうな)
泣きそうな悔しい表情の千原。
清華「あの、私は久城先輩と別れるつもりはありません」堂々とした態度
見開く隼人と目黒。
清華「たしかにあなたの方が先に好きなったかもしれないけど、だからといって譲るとかそんなことしないし、どんな手を使われても絶対に負けません」
口角が上がる隼人の口元。
千原「…っ、みんな死んじまえっ!」
そう言い残し、小走りで出て行く。
目黒「あ、逃げちゃった。追う?」
隼人「いや、大丈夫」
清華(一体なんだったの…)
目黒「清華ちゃん、うちのクラスの子がごめんね。後は俺らで対応するから安心してね」ニコッ
清華「…ありがとうございます」
隼人「清華を教室に送って来るから、先戻ってて」
目黒「りょーかい」
出て行く目黒。
清華「目黒先輩まで巻き込んじゃった…」
隼人「いや、あいつはいつも関わってるから」
清華「え!?」
隼人「間接的な時も多いけど」
清華「知らなかった…」
(会った時いつも何も言ってこなかったのは、目黒先輩なりの優しさだよね)
隼人「さっきのすげー嬉しかった」
清華「え?」
隼人「別れるつもりないって」
清華「あぁー…なんか悔しくて。簡単に別れるならそもそも付き合わないって話だし」
隼人「あの場面で言えるのが清華の強さだよね」
清華「守られるだけにはなりたくないから。…まぁ、いつも守られてばかりだけど…」
ひょいっ、清華を抱き上げる、縦抱き。
清華(!!)
隼人「清華を守るのは俺だけの特権だから、死ぬまで守らせて」軽く笑み
清華(もぉ…)頬染め
ん、と唇少し突き出す隼人。
抱っこのままキスをする、横から見た全身、または上半身ショット。
文化祭当日
模擬店やクラス展示、様々な人で賑わう校内。
清華と隼人が校内を回るシーンいくつか。
清華「そろそろ目黒先輩のバンド演奏ですよね」
隼人「うん。あ、ちょっとトイレ行ってもいい?」
清華「はい」
廊下で待つ清華。男子2人組が近づいてくる。
他校生「ねーねー、君かわいいね!連絡先教えてよ」
他校生「俺ら舞泉の文化祭初めて来たんだよね。よかったら案内してほしいし」
清華(えぇーこんなナンパみたいこと文化祭でする!?仕方ない、適当にあしらって…)
ぐいっ、隼人が清華の首元に腕を回し、引き寄せる※隼人の顔は見えない
他校生を睨む隼人
隼人「…気安く声かけんなよ」
威圧感に青ざめる他校生は立ち去る。
清華「…。」
隼人「ごめん、俺が離れたから」
清華「ううん。さ、ステージ見に行きましょう!」
目黒のステージでの演奏を見る2人。目黒はボーカル&ギター。途中隼人に向かってウインクする目黒、隼人はスルー。
木梨「次どこ行くー?」
美月「お腹空いたし、模擬店行こうよ」
榎本「お、いいね!」
木梨「サッカー部の先輩のクラスに顔出すか」
美月「そうだね」
歩き出し、少し離れたところに清華と隼人の姿を見つける榎本。
榎本「…。」
嬉しそうな笑顔の清華のショット。
榎本(あんな顔見せられたら完敗だなぁ)諦めの穏やかな笑み
「…2人は付き合ったりしないの?」
突然美月と木梨に聞く。
美月、木梨「「えっ!?」」立ち止まり驚く
榎本「え、だって好き同士でしょ?2人とも」
ゆっくり顔を見合わせる美月と木梨
美月「…そうなの?」木梨「…そうなのか?」同時
榎本「ほら、息ぴったりじゃん」
顔を赤くする美月と木梨。
榎本「俺、先に行っとくね」
○グラウンド
後夜祭が始まった。特別ゲストのパフォーマーが生徒たちの前で、ナイトバブルショーを開始した。設置された椅子に座る生徒や立ってみる生徒など。
夜空の中、ライトアップされた無数のシャボン玉が輝き、生徒たちから「おぉー!」「きれーい」など声が上がる。
清華と隼人は少し離れた場所に座り、見ている。
清華「わぁー綺麗!去年の後夜祭は何したんですか?」
隼人「キャンプファイヤーしたよ。焚き火の周りでフォークダンスしてる奴らもいたし」
清華「へぇー、それも楽しそう」
隼人「目黒は色んな女子と踊ろうとしてた」
清華「あはは、なんか想像つきます」
隼人「清華がいたらもっと楽しかったと思う」
清華「…。」
バブルを見る隼人の横顔を見つめる清華。
清華「ずっと気になってたことがあるんですけど…」
隼人「ん?」
清華「どうして最初に兄に伝えたのが、付き合いたいじゃなくて結婚したいだったんですか?」
伏し目がちに話し始める。
隼人「…生い立ちや家庭環境がこんなだから、家族とか結婚とかどうでもいいってずっと思ってた。つーか、死んでもいいとさえ思ってた。…だけど、勇清さんや清華に会って少しずつ自分の中で何かが変わっていってさ。あったかいご飯を一緒に食べて、些細な事を報告し合って、子供が生まれたら愛情いっぱい育てて…そんな夫婦や家族がする当たり前のようで奇跡なことを俺自身がする側になりたいって思った」
清華「…。」
隼人「直接話したわけじゃなかったけど、勇清さんが話す清華を通して、清華の芯の強さとか甘えられない弱さとかを知って、初めて誰かを守りたい、支えたいって思えた。清華と家族、夫婦になって、勇清さんと兄弟になった未来を想像したら、自然と生きたいって考えになって…もう付き合うよりも早く結婚して、清華と幸せになりたいって思ったから」清華を見る
清華(そうだったんだ…)
「…後悔しないんですか?」
隼人「なにが?」
清華「結婚したら他の人を好きになれませんよ?最初で最後の恋が私でいいんですか?」
隼人「こんな幸せな恋…後悔するわけないじゃん」
清華(幸せだと思ってくれているんだ…)
隼人「清華は後悔するの?俺とが最後の恋になって」
清華(最後の…)
隼人「ま、俺以外と結婚する選択肢なんて与えないけど…」
パカッ、隼人が指輪のケースを開け、清華に向ける。ダイヤが光る婚約指輪単体のショット
清華「え…」
隼人「…俺と結婚してください」
夜空とバブルをバックに、向き合う2人を横から見たショット、キラキラして綺麗な描写
清華「…はい」嬉しくて泣きそうな顔
隼人「よかった。…左手出して」
清華の左手薬指に指輪を通すショット
隼人「これで正真正銘、俺の婚約者」笑顔
頬を染め嬉しそうな顔の清華。
清華(私の彼は優しくて危険な婚約者)
床に座り込む清華とカッターを持つ千原。
清華(え、嘘…どうしよう…。別棟はこの時間誰もいない…)焦る
清華に詰め寄る清華。
千原「別れてくれたら済む話なの」
清華(どうにか切り抜けないと…)
隼人「何してんの」声のみ
ばっ、千原が声の方を向く。
入り口に隼人と目黒がいる。
清華(…!!)
目黒「もぉー、女の子がカッターなんか持ったら危ないでしょー」
すっ、清華の側に行きしゃがむ隼人。
隼人「大丈夫?」
清華「う、うん」
手を取り、立つ2人。
目黒「兄弟揃って暴力的なんだからー」
千原「は?何のこと?」
目黒「…先月、倉庫で清華ちゃんの友達ボコボコにした中に千原の兄ちゃんいたよね?」
気まずそうに斜め下を向く千原
清華(え…)
隼人「身内がやられたからって清華に復讐すんのやめて」
千原「お兄ちゃんは関係ないっ!…1年の時からずっと久城が好きだった。お兄ちゃんの因縁の相手と仲良いって知ってもそんなのどうでもよかったの。…だけど、その妹と付き合うなんて…許せなかった。あいつの妹だからって気に入られて…」
隼人「はぁ…うざ」
千原「え…」
隼人「何勘違いしてんのか知らねーけど、妹だからとか関係ないから。清華だから好きになったんだよ。もし、勇清さんの妹が千原だったら好きになってないし」
千原「…っ」ショック受けている
目黒(うわー相変わらずの冷たさー。俺なら泣いちゃうな)
泣きそうな悔しい表情の千原。
清華「あの、私は久城先輩と別れるつもりはありません」堂々とした態度
見開く隼人と目黒。
清華「たしかにあなたの方が先に好きなったかもしれないけど、だからといって譲るとかそんなことしないし、どんな手を使われても絶対に負けません」
口角が上がる隼人の口元。
千原「…っ、みんな死んじまえっ!」
そう言い残し、小走りで出て行く。
目黒「あ、逃げちゃった。追う?」
隼人「いや、大丈夫」
清華(一体なんだったの…)
目黒「清華ちゃん、うちのクラスの子がごめんね。後は俺らで対応するから安心してね」ニコッ
清華「…ありがとうございます」
隼人「清華を教室に送って来るから、先戻ってて」
目黒「りょーかい」
出て行く目黒。
清華「目黒先輩まで巻き込んじゃった…」
隼人「いや、あいつはいつも関わってるから」
清華「え!?」
隼人「間接的な時も多いけど」
清華「知らなかった…」
(会った時いつも何も言ってこなかったのは、目黒先輩なりの優しさだよね)
隼人「さっきのすげー嬉しかった」
清華「え?」
隼人「別れるつもりないって」
清華「あぁー…なんか悔しくて。簡単に別れるならそもそも付き合わないって話だし」
隼人「あの場面で言えるのが清華の強さだよね」
清華「守られるだけにはなりたくないから。…まぁ、いつも守られてばかりだけど…」
ひょいっ、清華を抱き上げる、縦抱き。
清華(!!)
隼人「清華を守るのは俺だけの特権だから、死ぬまで守らせて」軽く笑み
清華(もぉ…)頬染め
ん、と唇少し突き出す隼人。
抱っこのままキスをする、横から見た全身、または上半身ショット。
文化祭当日
模擬店やクラス展示、様々な人で賑わう校内。
清華と隼人が校内を回るシーンいくつか。
清華「そろそろ目黒先輩のバンド演奏ですよね」
隼人「うん。あ、ちょっとトイレ行ってもいい?」
清華「はい」
廊下で待つ清華。男子2人組が近づいてくる。
他校生「ねーねー、君かわいいね!連絡先教えてよ」
他校生「俺ら舞泉の文化祭初めて来たんだよね。よかったら案内してほしいし」
清華(えぇーこんなナンパみたいこと文化祭でする!?仕方ない、適当にあしらって…)
ぐいっ、隼人が清華の首元に腕を回し、引き寄せる※隼人の顔は見えない
他校生を睨む隼人
隼人「…気安く声かけんなよ」
威圧感に青ざめる他校生は立ち去る。
清華「…。」
隼人「ごめん、俺が離れたから」
清華「ううん。さ、ステージ見に行きましょう!」
目黒のステージでの演奏を見る2人。目黒はボーカル&ギター。途中隼人に向かってウインクする目黒、隼人はスルー。
木梨「次どこ行くー?」
美月「お腹空いたし、模擬店行こうよ」
榎本「お、いいね!」
木梨「サッカー部の先輩のクラスに顔出すか」
美月「そうだね」
歩き出し、少し離れたところに清華と隼人の姿を見つける榎本。
榎本「…。」
嬉しそうな笑顔の清華のショット。
榎本(あんな顔見せられたら完敗だなぁ)諦めの穏やかな笑み
「…2人は付き合ったりしないの?」
突然美月と木梨に聞く。
美月、木梨「「えっ!?」」立ち止まり驚く
榎本「え、だって好き同士でしょ?2人とも」
ゆっくり顔を見合わせる美月と木梨
美月「…そうなの?」木梨「…そうなのか?」同時
榎本「ほら、息ぴったりじゃん」
顔を赤くする美月と木梨。
榎本「俺、先に行っとくね」
○グラウンド
後夜祭が始まった。特別ゲストのパフォーマーが生徒たちの前で、ナイトバブルショーを開始した。設置された椅子に座る生徒や立ってみる生徒など。
夜空の中、ライトアップされた無数のシャボン玉が輝き、生徒たちから「おぉー!」「きれーい」など声が上がる。
清華と隼人は少し離れた場所に座り、見ている。
清華「わぁー綺麗!去年の後夜祭は何したんですか?」
隼人「キャンプファイヤーしたよ。焚き火の周りでフォークダンスしてる奴らもいたし」
清華「へぇー、それも楽しそう」
隼人「目黒は色んな女子と踊ろうとしてた」
清華「あはは、なんか想像つきます」
隼人「清華がいたらもっと楽しかったと思う」
清華「…。」
バブルを見る隼人の横顔を見つめる清華。
清華「ずっと気になってたことがあるんですけど…」
隼人「ん?」
清華「どうして最初に兄に伝えたのが、付き合いたいじゃなくて結婚したいだったんですか?」
伏し目がちに話し始める。
隼人「…生い立ちや家庭環境がこんなだから、家族とか結婚とかどうでもいいってずっと思ってた。つーか、死んでもいいとさえ思ってた。…だけど、勇清さんや清華に会って少しずつ自分の中で何かが変わっていってさ。あったかいご飯を一緒に食べて、些細な事を報告し合って、子供が生まれたら愛情いっぱい育てて…そんな夫婦や家族がする当たり前のようで奇跡なことを俺自身がする側になりたいって思った」
清華「…。」
隼人「直接話したわけじゃなかったけど、勇清さんが話す清華を通して、清華の芯の強さとか甘えられない弱さとかを知って、初めて誰かを守りたい、支えたいって思えた。清華と家族、夫婦になって、勇清さんと兄弟になった未来を想像したら、自然と生きたいって考えになって…もう付き合うよりも早く結婚して、清華と幸せになりたいって思ったから」清華を見る
清華(そうだったんだ…)
「…後悔しないんですか?」
隼人「なにが?」
清華「結婚したら他の人を好きになれませんよ?最初で最後の恋が私でいいんですか?」
隼人「こんな幸せな恋…後悔するわけないじゃん」
清華(幸せだと思ってくれているんだ…)
隼人「清華は後悔するの?俺とが最後の恋になって」
清華(最後の…)
隼人「ま、俺以外と結婚する選択肢なんて与えないけど…」
パカッ、隼人が指輪のケースを開け、清華に向ける。ダイヤが光る婚約指輪単体のショット
清華「え…」
隼人「…俺と結婚してください」
夜空とバブルをバックに、向き合う2人を横から見たショット、キラキラして綺麗な描写
清華「…はい」嬉しくて泣きそうな顔
隼人「よかった。…左手出して」
清華の左手薬指に指輪を通すショット
隼人「これで正真正銘、俺の婚約者」笑顔
頬を染め嬉しそうな顔の清華。
清華(私の彼は優しくて危険な婚約者)



