11月
○昼休み、屋上
パンや飲み物片手に話してる。
目黒「無事両思いになってよかったねぇー。朝食バイキングの後、いきなり居なくなった時は焦ったけど」
焦ってる目黒の簡易的なシーン。
隼人「あのグループは姑息な奴らだから、狙ってくるならあの時かなって」
目黒「ほんとそーゆー勘鋭いよね。あ、そのグループで気になることあってさ…」
隼人「?」
○中庭
昼を食べ終えた清華と美月がベンチに座り話している。
美月「無事2人が付き合って、お兄さんも喜んでるんじゃない?」
清華「それがさ…」
勇清と電話してる図。
電話越しの声のみ
勇清「え、婚約してるんだから付き合ってるに決まってんだろ。なに今更報告してきてんだよ。入籍日決まったら教えろなー」
清華「…って言われて。お兄の中に私たちが付き合わない選択肢はなかったみたい」
美月「あはは!お兄さんらしいね。まぁ、あの過保護のお兄さんが許してくれる人なんて先輩ぐらいなんじゃない?」
清華「そうだね。でも困ってることがあってさ、私はひとまず付き合って関係を深めていきたいって思ってるんだけど、お兄たちは婚約、結婚しか頭にないんだよね」
美月「あー、まぁ初対面の時から婚約者になってたもんね。するかどうかは別として、結婚相手として先輩はありなの?」
清華「結婚相手…」
美月「彼氏にしたい人と旦那さんにしたい人って微妙に違わない?だって、結婚したら一緒に生活して、子供が生まれたら一緒に子育てするんだよ?求めるものが違うじゃん」
清華「子育て…」
いつもの気だるい表情のまま小さい子と手を繋ぐ隼人を想像している。
清華(どうしよう…イメージつかないかも)
○朝、土曜日、マンション
部屋の姿見鏡の前で髪型や服装の確認をする清華。
清華「変じゃないよね…?」
部屋を出てリビングへ向かう
清華(今日は付き合って初めての外出デート)
リビングに着くと、先に準備を終えた隼人がいる。ソファでスマホ見てた。
清華「お待たせしました」
隼人「全然」立ち上がる。
じーっと清華を見る。
清華「?どうかしました?」
隼人「今日すげー良い感じだね、可愛い」
清華「ありがとうございます」照れてる
○動物園
入り口でチケットを購入し、園内に入る。
清華「わぁーめっちゃ久々の動物園!」
隼人「俺、動物園初めて来た」
清華「えっ!?」
(…あ、そっか)
隼人が育児放棄を受けていた事を思い出す。
清華(家族との思い出が全然ないんだよね…)
「…なら最高の動物園デビューにしましょう!」笑顔
清華の笑顔が勇清の笑顔と重なり、少し目を見開く隼人。
園内を楽しむ2人のシーンいくつか。常に手を繋いでる。
ライオンの檻の前に来た2人。人がたくさんいて、少し見づらい。
抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこしているママと3歳くらいの男の子が2人の横にきた。
男の子「ママー、ライオンさんみえないよおー、だっこしてー!」
ママ「ごめんね、抱っこは出来ないのよ。ライオンさんまた後で見にこようか」
男の子「えーやだぁー」
清華(小さい子2人をママだけでみるの大変だよね)
しょんぼりしている男の子。
次の瞬間、ひょいっと隼人か男の子を抱き上げる。
清華(!?)
隼人「見える?」
男の子「うん、みえた!おにーちゃん、ありがとう!」
ふっ、と優しい顔をする隼人。
ママ「すみません、ありがとうございます」ぺこぺこしてる
その光景を見ている清華。
清華(家族からの愛を知らなくても、この人の中にはちゃんと優しさがある。行き過ぎた独占欲は本当の愛を知らないからなのかも…)
次のゾーンへ向かう途中、自販機で飲み物を買いベンチで休憩する2人。
清華「さっきの子喜んでましたね。小さい頃、動物園じゃないけど、前が見えなくて、兄に肩車で見せてもらったことを思い出しちゃった」
隼人「勇清さんならしてくれそうだね。ほんと仲良いし、溺愛されてるな」
清華「歳が離れてるからかなぁ。親が仕事で忙しかったから、直接的な愛情は兄から1番もらった気がします。両親が海外赴任することになった時日本にいられたのも、寂しい思いをしなかったのも兄のおかげだから。私のことを任せられる人ができて、やっと自由に自分の幸せを考えられてるんじゃないかなー。友達と遊んだり、喧嘩したり、好き勝手にはしてたけど私に気を遣って恋愛とかそんなしてなかったから、兄には幸せな恋をしてほしいんです。ブラコンみたいな発言になっちゃうけど、兄のお嫁さんは世界一幸せだと思うから」優しい笑顔
そんな清華を見て隼人も優しい表情に。
隼人「勇清さんの奥さんが幸せなのは、すげー分かる。それとおんなじくらい…」
ベンチから立ち上がる。
隼人「俺の奥さんも幸せになるから」座っている清華のほうを振り向いて。
ドキッとする清華。
○夜、電車
家に帰るため電車内にいる2人。横並びで手を繋ぎ座っている。
清華「こんなに歩いたの久々ー。今日はゆっくりお風呂に入ろーっと。…初めての動物園どうでした?」
隼人「めちゃくちゃ楽しかった。ま、清華とならどこでも楽しいよ」
清華「前から思ってたんですけど、すごく女慣れしてますよね。言葉とか行動とか…」
(別に過去の恋愛にヤキモチ妬くつもりはないけど)
隼人「え?慣れるも何も清華にだけだけよ。好きになったのも、触れたいと思ったのも清華だけ…」
清華「え…」
顔を近づけ、清華の耳元で囁く
隼人「だから帰ったら、たくさん触れさせて…」
頬染める清華
文化祭前日
○1年C組
教室で文化祭の最終準備をする清華たち。
木梨「明日は初めての文化祭、ワクワクするな!」
美月「楽しみだね!清華は先輩と回るんだよね?」
清華「うん」
(一般の人がたくさん出入りするから、いつも以上に心配らしい)
木梨「じゃあ、寺ちゃんは俺らと回る?」
美月「え、いいの?」
木梨「もちろん!」
清華(良かったね、美月)
クラスの男子「吾郷ー、ちょっと来てー」
ドア付近から。
清華「?」
クラスの男子「なんか呼ばれてるぞ」
ドアのすぐ外に千原の姿。
清華(たしか2年の…)軽く会釈
別棟の誰もいない準備室に連れて来られた。
千原「いきなりごめんね」
清華「いえ、私に何か用ですか?」
千原「久城と付き合ってるみたいだけど、ほんとなの?」
清華「えっ…そうですけど」
(何でそんなこと聞くんだろう)
千原「何で…」ギッ、とした口元のみ
清華(え)
千原「何でよりによってあんたが久城の彼女なのよっ!」
ばんっ!
清華「きゃっ…」
強く押され尻もちをつく。
千原「ねぇ、さっさと別れてよ…」
カチッ、ポケットからカッターを取り出し、どんどん清華に近づく。
清華(え…)
○昼休み、屋上
パンや飲み物片手に話してる。
目黒「無事両思いになってよかったねぇー。朝食バイキングの後、いきなり居なくなった時は焦ったけど」
焦ってる目黒の簡易的なシーン。
隼人「あのグループは姑息な奴らだから、狙ってくるならあの時かなって」
目黒「ほんとそーゆー勘鋭いよね。あ、そのグループで気になることあってさ…」
隼人「?」
○中庭
昼を食べ終えた清華と美月がベンチに座り話している。
美月「無事2人が付き合って、お兄さんも喜んでるんじゃない?」
清華「それがさ…」
勇清と電話してる図。
電話越しの声のみ
勇清「え、婚約してるんだから付き合ってるに決まってんだろ。なに今更報告してきてんだよ。入籍日決まったら教えろなー」
清華「…って言われて。お兄の中に私たちが付き合わない選択肢はなかったみたい」
美月「あはは!お兄さんらしいね。まぁ、あの過保護のお兄さんが許してくれる人なんて先輩ぐらいなんじゃない?」
清華「そうだね。でも困ってることがあってさ、私はひとまず付き合って関係を深めていきたいって思ってるんだけど、お兄たちは婚約、結婚しか頭にないんだよね」
美月「あー、まぁ初対面の時から婚約者になってたもんね。するかどうかは別として、結婚相手として先輩はありなの?」
清華「結婚相手…」
美月「彼氏にしたい人と旦那さんにしたい人って微妙に違わない?だって、結婚したら一緒に生活して、子供が生まれたら一緒に子育てするんだよ?求めるものが違うじゃん」
清華「子育て…」
いつもの気だるい表情のまま小さい子と手を繋ぐ隼人を想像している。
清華(どうしよう…イメージつかないかも)
○朝、土曜日、マンション
部屋の姿見鏡の前で髪型や服装の確認をする清華。
清華「変じゃないよね…?」
部屋を出てリビングへ向かう
清華(今日は付き合って初めての外出デート)
リビングに着くと、先に準備を終えた隼人がいる。ソファでスマホ見てた。
清華「お待たせしました」
隼人「全然」立ち上がる。
じーっと清華を見る。
清華「?どうかしました?」
隼人「今日すげー良い感じだね、可愛い」
清華「ありがとうございます」照れてる
○動物園
入り口でチケットを購入し、園内に入る。
清華「わぁーめっちゃ久々の動物園!」
隼人「俺、動物園初めて来た」
清華「えっ!?」
(…あ、そっか)
隼人が育児放棄を受けていた事を思い出す。
清華(家族との思い出が全然ないんだよね…)
「…なら最高の動物園デビューにしましょう!」笑顔
清華の笑顔が勇清の笑顔と重なり、少し目を見開く隼人。
園内を楽しむ2人のシーンいくつか。常に手を繋いでる。
ライオンの檻の前に来た2人。人がたくさんいて、少し見づらい。
抱っこ紐で赤ちゃんを抱っこしているママと3歳くらいの男の子が2人の横にきた。
男の子「ママー、ライオンさんみえないよおー、だっこしてー!」
ママ「ごめんね、抱っこは出来ないのよ。ライオンさんまた後で見にこようか」
男の子「えーやだぁー」
清華(小さい子2人をママだけでみるの大変だよね)
しょんぼりしている男の子。
次の瞬間、ひょいっと隼人か男の子を抱き上げる。
清華(!?)
隼人「見える?」
男の子「うん、みえた!おにーちゃん、ありがとう!」
ふっ、と優しい顔をする隼人。
ママ「すみません、ありがとうございます」ぺこぺこしてる
その光景を見ている清華。
清華(家族からの愛を知らなくても、この人の中にはちゃんと優しさがある。行き過ぎた独占欲は本当の愛を知らないからなのかも…)
次のゾーンへ向かう途中、自販機で飲み物を買いベンチで休憩する2人。
清華「さっきの子喜んでましたね。小さい頃、動物園じゃないけど、前が見えなくて、兄に肩車で見せてもらったことを思い出しちゃった」
隼人「勇清さんならしてくれそうだね。ほんと仲良いし、溺愛されてるな」
清華「歳が離れてるからかなぁ。親が仕事で忙しかったから、直接的な愛情は兄から1番もらった気がします。両親が海外赴任することになった時日本にいられたのも、寂しい思いをしなかったのも兄のおかげだから。私のことを任せられる人ができて、やっと自由に自分の幸せを考えられてるんじゃないかなー。友達と遊んだり、喧嘩したり、好き勝手にはしてたけど私に気を遣って恋愛とかそんなしてなかったから、兄には幸せな恋をしてほしいんです。ブラコンみたいな発言になっちゃうけど、兄のお嫁さんは世界一幸せだと思うから」優しい笑顔
そんな清華を見て隼人も優しい表情に。
隼人「勇清さんの奥さんが幸せなのは、すげー分かる。それとおんなじくらい…」
ベンチから立ち上がる。
隼人「俺の奥さんも幸せになるから」座っている清華のほうを振り向いて。
ドキッとする清華。
○夜、電車
家に帰るため電車内にいる2人。横並びで手を繋ぎ座っている。
清華「こんなに歩いたの久々ー。今日はゆっくりお風呂に入ろーっと。…初めての動物園どうでした?」
隼人「めちゃくちゃ楽しかった。ま、清華とならどこでも楽しいよ」
清華「前から思ってたんですけど、すごく女慣れしてますよね。言葉とか行動とか…」
(別に過去の恋愛にヤキモチ妬くつもりはないけど)
隼人「え?慣れるも何も清華にだけだけよ。好きになったのも、触れたいと思ったのも清華だけ…」
清華「え…」
顔を近づけ、清華の耳元で囁く
隼人「だから帰ったら、たくさん触れさせて…」
頬染める清華
文化祭前日
○1年C組
教室で文化祭の最終準備をする清華たち。
木梨「明日は初めての文化祭、ワクワクするな!」
美月「楽しみだね!清華は先輩と回るんだよね?」
清華「うん」
(一般の人がたくさん出入りするから、いつも以上に心配らしい)
木梨「じゃあ、寺ちゃんは俺らと回る?」
美月「え、いいの?」
木梨「もちろん!」
清華(良かったね、美月)
クラスの男子「吾郷ー、ちょっと来てー」
ドア付近から。
清華「?」
クラスの男子「なんか呼ばれてるぞ」
ドアのすぐ外に千原の姿。
清華(たしか2年の…)軽く会釈
別棟の誰もいない準備室に連れて来られた。
千原「いきなりごめんね」
清華「いえ、私に何か用ですか?」
千原「久城と付き合ってるみたいだけど、ほんとなの?」
清華「えっ…そうですけど」
(何でそんなこと聞くんだろう)
千原「何で…」ギッ、とした口元のみ
清華(え)
千原「何でよりによってあんたが久城の彼女なのよっ!」
ばんっ!
清華「きゃっ…」
強く押され尻もちをつく。
千原「ねぇ、さっさと別れてよ…」
カチッ、ポケットからカッターを取り出し、どんどん清華に近づく。
清華(え…)



