9月
清華(2学期が始まり、体育祭に向けての練習がスタートした)

リレーや応援合戦の練習をするシーン

下旬、体育祭当日
○朝、1年C組
朝早くから来た女子たちがヘアアレンジをし合っている。
男子たちがやって来る。木梨と榎本も。
木梨「おぉー!いつもより華やかだぁ!!」
美月「おはよー!」低めのツインの髪型
木梨「おはよ!寺ちゃん、その髪型可愛いな!」
美月「ほんと?ありがと!」
木梨「うん、すげー似合ってる」笑顔
顔赤くなる美月。
榎本「おはよう。みんな気合い入ってるね」
清華「おはよ」サイドポニーの髪型
榎本「吾郷ちゃんもいつもと雰囲気違う、すごく良いよ!」
清華「ありがと」

○グラウンド
開会式シーン。
清華を見つけた隼人の顔と隼人目線の清華のショット。※清華は気づいていない

二人三脚に出場している清華。ペアは美月ではない女子。
2年の応援席から見ている隼人と目黒。
目黒「二人三脚してる女の子って、キャッキャっしてて可愛いよねー」
隼人「よくそんな誰でも可愛いとか思えるな」
目黒「誰でもじゃありませーん。たまたまみんな可愛いんですぅー」

綱引き中の隼人や目黒。
1年応援席にいる清華や美月。
美月「清華、応援してあげなよ!」
清華「え、でも組違うし」
美月「組とか関係ないよ!一言頑張れって言えばいいんだよ」
清華(そう言われても…そもそも聞こえるのかな)
「…がんばれー」口に手を添えながら
清華の声に気づき一瞬動き止まる隼人。
ぐっ、再び引っ張る。
そのまま隼人のクラスが勝利。
待機場所に移動する隼人を見ていると目が合う。
とりあえず軽く会釈する清華。

借り人競走に出場している榎本。お題の用紙を見た榎本は天を見上げている。
応援席から見ている清華と美月。
美月「えのもっちゃん、なんか考えているみたいだけど、何引いたんだろうね」
清華「ほんとだね、難題じゃないといいけど」
タッタッタッ、榎本が走ってくる。
榎本「吾郷ちゃん!!来てもらっていい!?」手を差し出す。
清華「へ!?」
訳のわからぬまま差し出された手を掴み、ゴールへ走る。

2年応援席。
目黒「あ、清華ちゃん連れて行かれてんね!あらら、お手て繋いじゃってー」
不満そうな顔をしている隼人の視線の先は清華たちの手。

ゴールし、係に用紙を渡す。
係の生徒「えー、お題は“好きな人”でした!」
清華(えっ!?)
手で口元を隠し、顔を赤くする榎本。
係の生徒「お2人はお付き合いされてるんですか!?」
榎本「いえ…」
係の生徒「おぉっと!これは愛の告白だぁー!!」
盛り上がるグラウンド。
応援席で驚く美月と木梨。

2年応援席
目黒「わーお!あの爽やか君、公開告白してるじゃーん。どーすんの、隼人ー」
横を見ると隼人がいない。
目黒「あれ!?」

ゴールから待機場所に戻る少し気まずそうな清華と榎本。
榎本「なんか…ごめんね?」
清華「え、ううん…」
榎本「あのさっ…」
隼人「清華」声のみ
声の先を見ると隼人が立っている。スタスタと歩いてきて、清華の手首を掴む。
隼人「次触ったら許さねーから」
榎本にそう言い残し、清華を連れて行く。
榎本「…。」

手首を持たれたまま誰もいない校舎裏に着く。
ぎゅっ、隼人が清華を抱きしめる。
隼人「…清華はあの男が好きなの?」
清華「いや…えのもっちゃんは友達です…」
隼人「じゃあ…清華の好きな相手は…」
抱きしめていた腕を緩め、じっ、と見つめながら
隼人「誰?」
清華(こんな聞き方ずるい…)頬染め、視線を逸らす
隼人「覚えといて…」
カプッ、清華のサイドポニーと逆の耳を甘噛みする、アップめ。
清華(!!)
隼人「清華のことは誰にも譲らないし、渡さないから…」耳元で
赤くなる耳
隼人「戻ろっか」手を繋ぐ
清華(えのもっちゃんに手を引かれた時、頭にすぐよぎった。あ、あの人がすぐ迎えに来るなって。そして、予想通り嫉妬を身に纏った彼が現れた)
繋がれている手のショット
清華(強引に繋ぐくせに、力加減はいつも優しい…)
隼人「俺、この後リレー出るから絶対見てて。そんで、1位になったらご褒美ちょーだい」
清華「…え」

リレー待機場所。隼人が遅れて目黒の後ろに並ぶ。
目黒「もぉー隼人来なかったら俺が2周走るかと思ったじゃん」
隼人「ごめん。…1位取るから」
目黒(あら、珍しくやる気だ)

ピストルの音ともに走り出す1番走者たち。応援する生徒。次々とバトンが渡る。
目黒が走り始めた。
応援席からた見ている清華
清華(今の時点で3番…)
目黒はどんどん前との距離をつめ、追い抜いた。しかし、1位との差は大きい。
清華(目黒先輩速い!追い抜いたけど…)
バトンは目黒の手から隼人の手に。走り出す隼人の横顔。
清華(え…嘘…)
隼人のスピードは速く、瞬く間に前の選手に追いつきそうになる。ゴール寸前でほぼ横並び。
清華の目元アップとゴールテープがひらりとなる図。

アナウンス係「ただいまの2年組別対抗リレーの結果は…1位D組、2位A組…」

清華(ほんとに1位になっちゃった…)
列に戻る隼人と目が合う。
軽く舌を出す隼人。※色気のある感じ
ドキッとする清華。
隼人に噛まれた耳をそっと触る。

終了し、制服に着替えた生徒たちが帰って行くシーン。

自分の教室で席に着き、隼人を待つ清華。
出て行ったはずの榎本が戻ってくる。
清華「忘れ物?」
榎本「いや…」
清華(?)
榎本「…今日はほんといきなりごめんね。あのお題見て、吾郷ちゃんしか思いつかなくて…。全校生徒の前だしどうしようか迷ったんだけど…」頭をぽりぽりかく。
清華「あれは勇気いるよね」苦笑い
榎本「…その、あーいう形の告白になっちゃったけど…俺、吾郷ちゃんのことほんとに好きだから」
清華「…えっと」
榎本「待って!返事はしなくていいから!だいたい予想つくからさ。その…迷惑じゃなかったらもう少しだけ勝手に好きでいていい?」
清華「え…あ、うん」
榎本「ありがとう」
清華「…。」
(何て答えるのが正解だったのかな…)
ちょうど隼人がドアから入ってくる。
榎本「じゃあ、お疲れ!」
清華「うん、お疲れ様」
隼人に軽く会釈し出ていく。
清華「…お疲れ様でした」
カタン、鞄を清華の隣の机に置き、椅子に座る隼人。体は清華を向いてる。
隼人「ご褒美もらっていい?」
清華「…内容によります…」
隼人「頑張ったね、って抱きしめてよ」
清華「えっ…」
軽く両手を広げる隼人。
清華(思ったよりもかわいいお願いでびっくりしてしまった…)
ゆっくり立ち上がり、隼人をぎゅっと包み込むように抱きしめる。
清華「…よくがんばりました」少し照れてる。
ぎゅーっ、隼人が抱きしめ返す
ドキドキ…
清華(どうかこの激しい鼓動が伝わっていませんように…)