前話の続き。
正樹が店に入って来たシーン。
勇清「お疲れー!」
正樹「お疲れー」
清華「まさくん!」
正樹「おぉ、清。数ヶ月見てないだけで、随分大人っぽくなったぁ」
そう言いながら清華の隣に座る。その横にいる隼人にも気づく。
正樹「隼人、久しぶり!」
隼人「どーも」前向いたまま素っ気ない。

勇清「新生活どうだ?」
正樹「めちゃくちゃ楽しい。どこ行っても美味い店が多くて、3キロ太ったけど」
嬉しそうに正樹の話に耳を傾ける清華。
正樹「清は高校どうなの?舞泉だよな?」
清華「うん、すごく楽しいよ!」
正樹「そっか、制服姿の写真とかないの?」
勇清「俺が見せてやるよ!」
友達「相変わらず勇清の写真フォルダは清華ちゃんだらけだな」
勇清「当たり前だろー。あ、これとか可愛いぞ!」スマホを正樹に見せる。
正樹「おぉ、可愛いじゃん。俺が同級生なら告ってるわ」
清華(冗談でも嬉しいな)にっこり
ぐっ、隼人が清華の肩を抱き寄せる。
隼人「今は俺のだから、そういうこと言うのやめて」
清華(!?)
正樹「…え、2人付き合ってんの!?」
清華「あ、いや、その…」
勇清「付き合うつーか、結婚する予定だな!」
正樹「は!?結婚!?…どうせ、勇清が勝手に決めたんだろ?」
清華(そうです!その通りです!さすがまさくん!)心の中で激しく頷く
友達「妹みたいに可愛がってきた清華ちゃんが嫁にいくからって、そんな悲しむなよぉ。別に正樹も彼女といつかは結婚すんだしさ」
正樹「別れた」
清華(え…)
友達「え!?あの3年続いてた子と!?」
正樹「まぁ、色々あんだよ」ビールを口にする。

勇清「そろそろ22時だから、高校生は帰る時間だな」
清華「えー、もうちょい居たい!」
勇清「わがまま言うなよー」
清華「せっかく久々にみんなと会えたのに」しょんぼり
正樹「そんな寂しいなら家まで送ってやろうか?」
隼人「俺が送るから大丈夫」正樹の言葉に被せ気味
正樹「…そっか」
清華の頭をなでなでする。
正樹「じゃあ、またな」
清華「…うん」照れた可愛い顔をしている。
隼人「…。」

2人の帰った店内。
友達「そういや、勇清や俺らへの復讐で清華ちゃん狙ってる奴いるんだろ?」
正樹「え、まじで?…まぁ、そんな馬鹿みてーなことしそうな奴ら予想はつくけど」
勇清「何回か危ねー目に遭ったらしいけど、隼人が助けてくれたから」
友達「あー隼人も勇清なみに強いもんなぁ」
正樹「どーすんの?これ以上手出さねーように忠告しとく?」
勇清「んー、多分あらかた隼人が潰してると思うし、まだ何もしてきてないグループあと1つぐらいだから、俺らが動かなくて大丈夫だろ」
正樹「…前から思ってたけど、勇清の隼人への信頼すげーよな。俺ら友達とはまた違う関係っていうか」
勇清「まぁ、ほんとの弟だと思って接してきたし、俺の教えられることは全部伝えてきたからなぁ。隼人には幸せになってほしいわけよ」満足そうな笑み

マンションに帰り着き、玄関に入る清華と隼人。
清華「お兄たちはどうせ朝までコースだろうから、内鍵も閉めておこっと」
ガチャ、鍵を閉めた清華が後ろを振り向くと、玄関のドアに両肘で壁ドンする形で隼人が清華を囲う。
清華(!?)
隼人「清華ちゃんは俺の彼女だよね?俺の婚約者だよね?なのに何でだよ…」
清華「…え」
隼人「…俺以外の男のこと考えないで。俺だけ見てて。……あんな顔すんなよ…」
ちゅっ、勢いよくキスをする。
そのまま舌を入れ、今までと違い深く長いキスをする。口元アップ。
清華「…んっ…」
(いつもの強引さと違う…)
唇が離れる。
隼人「ねぇ、清華。俺を愛してよ…」
嫉妬と切なさの混じった表情で見つめる。
戸惑う清華の顔。


数日後
○空港
勇清「まだ帰りたくねーよーー!清華といたいよーー!」駄々こねてる
清華「今度は私が会いに行くから。仕事あるんだから泣かずに帰ってくださーい」
勇清「絶対来いよ!?隼人も一緒にな!」
頷く隼人。
清華「…身体に気をつけて。じゃあね」
手を振り合い、見送る。

隼人「寂しくない?」
清華「兄には兄の人生があるから、たまにこうして会えるだけで私は満足です」
隼人「勇清さんの代わりにはなれないけど、寂しい時は駆けつけるから、いつでも言って」
清華「…ありがとうございます」


30日
○朝、マンション
キッチンで朝ごはんを準備する清華。
清華(明日で共同生活も終わりかぁ。家事分担も上手くできたし、大きなトラブルもなかった。バイトで疲れて帰ってもゆっくりできたのは1人じゃなかったからだよね)

着替えた隼人がキッチンに来る。
隼人「おはよ」
清華「おはようございます」
隼人「今日デートしよっか」
清華「えっ」

○電車内
横並びに座る2人。清華はお出かけ用に着替えている。
清華(どこ行くんだろう…)

着いたのは、デジタルアートが楽しめる施設。
清華「わぁー!初めて来ました!」テンション上がっている
隼人「俺も初めて」

館内に進んでいく。人が多い。
隼人「離れないでね」
手を繋ぐ。頬染める清華。

デジタルアートを楽しむ2人のシーンいくつか。スマホで写真撮り合っていたり。暗い中キラキラ美しい描写。
隼人「清華」
清華の肩を抱き寄せ、スマホのインカメを向け写真を撮る。
驚きつつも幸せそうな清華と少し微笑む隼人のツーショット。

アートを見る隼人の横顔と隼人を見る清華の正面。
清華(一緒に下校して、一緒に暮らして…この人の横に居ればいるほど、心地良くなってきている)
清華の方を見た隼人の顔アップ
隼人「そろそろ昼食べ行こっか」
清華「…はい」

ご飯を食べているシーンや電車に乗るシーン。

○マンション、清華の部屋
ベットサイドに座りスマホを見ている清華。
清華(そろそろ寝よっかな)
ガチャ、ドアが開く。隼人が立っている。
清華「ちょっと、ノックしてくださいよ!」
隼人「ごめん。入っていい?」
清華「…どうぞ」
(どうしたんだろう)

隣に座る隼人。
隼人「1ヶ月ちょい一緒に生活してみてどうだった?」
清華「えっ…。うーん、あまりに快適でびっくりしました」
隼人「快適…」
清華「そんなに気を遣わず過ごせたってことです」
隼人「ならよかった」
清華(もしかして不安だったのかな?)
隼人「今日最後だし、一緒に寝よーよ」
清華「へっ!?」
(お兄がいる間は寝てたけど…家の中で2人きりで一緒に寝るのはなんだか緊張する)
ぽすっ、清華の返事を聞かず寝転ぶ隼人。
清華(…もぉー…)
仕方なく横に寝転ぶ。
清華(明日から寂しくなるのかな…)
2人を上から見た図。