3月下旬
○日中、空港
兄を空港まで見送りに来ている清華。2人とも私服姿。
清華のめんどくさい顔のアップめショット。
勇清「せいかぁー!元気でなー!離れてても兄ちゃんは清華のことずっと思ってるからなー!」
泣きながら清華をハグする。清華は全く寂しくなさそう。
清華(7つ上の兄は、やりたいことができたらしく、この春から遠く離れた場所へ就職することになった。中、高、大学とヤンチャをしていた兄が真っ当な社会人になれるのか心配ではあるけど…)
「お兄、そろそろ飛行機の時間でしょ?涙拭いてさっさと行く!」
勇清「涙の一つも見せてくれないなんて…相変わらず冷たい妹だなぁ。でも分かってる。本当はすごく寂しいんだよな!」
清華「…。」呆れている
勇清「これからはさ、お前になんかあってもすぐに駆けつけてやれねーから」
清華「もう高校生になるし、自分で何とかするから心配しなくていいって」
勇清「いーや!心配なものは心配だ!それに何歳になろうが俺の可愛い妹だし、女を守るのは男の務めだから。…ま、今度からはあいつが清華を守ってくれるから安心しろ!」
清華(ん、あいつ?なんの話?)
勇清「やべっ、もう時間が!じゃ、着いたらまた連絡するな!」
ドタバタとキャリーケースや荷物を持って走って、手を大きく振りながら去っていく。清華も低めの位置で手を振っている。
清華(もうすぐ私も高校生。どんな出会いが待っているんだろう)
空港の窓から空を見上げている。希望に満ちた表情。
4月
○舞泉高校
入学式の日。
教室前に貼り出されたクラス名簿を同じ中学校だった仲良しの美月と確認する清華。周りにも新入生わちゃわちゃ。ブレザー姿、男女ともにネクタイ。
美月「あ!清華、C組だよ!あ、私もだ!」
清華「ほんと?同じクラスで良かったー」
手を取り合い喜ぶ2人。
○屋上
双眼鏡を覗きながら体育館に入っていく新入生を見ている目黒。立っている。ピアスいくつか付けている、派手な髪色。
目黒「おー、みんな初々しいねー」
その横で座っている隼人の後ろ姿。顔は見えないように。
※隼人は基本的に表情がほぼ変わらない。常にローテンション、ダウナー系。
双眼鏡から見た清華の横顔、または斜め後ろ姿。
目黒「あ、はっけーん。写真で見るより実物のほうが可愛いじゃーん」
隼人「は?」後ろ姿と声のみ。
目黒「ごめんごめん。隼人も見る?」
双眼鏡を差し出す。
隼人「毎日見てるから大丈夫」横顔、口元のみ
目黒「あはは、ストーカーじゃん」
次の日。
○朝、1年C組の教室
窓際1番前の清華の席の横に立ち、話している美月。清華の斜め後ろの席の榎本が話しかけてくる。榎本の横には木梨が立っている。
榎本「ねーねー、2人って同中なの?」
美月「うん、そうだよー」
榎本「そうなんだ。俺と木梨も同中なんだよ。同中組同士、これからよろしくね!」ニコッ
清華(コミュニケーション能力高い人だなぁ)
「うん、よろしく」
榎本「名前言ってなかった。俺は榎本」
木梨「木梨でっす!」
美月「寺岡です」
清華「吾郷です」
ぴくっ、清華の名前に反応する木梨。
木梨「え、吾郷!?もしかして吾郷さんって、勇清さんの妹だったりする?」
清華「そうだよ」
木梨「まじで!?すげー!!」テンション上がっている
榎本「え、なになに?吾郷ちゃんのお兄さんすごい人な感じ?」
木梨「えのもっちゃん知らねーの!?勇清さんは、伝説の不良だぞ!!自分からケンカふっかけることはしない、売られたケンカは絶対勝つ。弱いものイジメしたり、犯罪まがいのことしたりしてるやつはボコボコにする。勇清さんを慕う不良は数知れず。心優しい無敵の不良なんだよ!!」熱弁
清華は引いてる。
榎本「へぇー、有名人なんだねぇ。すごーい!」
清華「そんな大した男じゃないよ。そもそもケンカするなって話だし」
美月「何回か会った事あるけど、すごく優しいんだよ。かっこよくて、頼りになるお兄さんだよね!かなりシスコンだけど」
○昼休み、廊下
お昼ご飯を食べ終え、廊下を歩く清華と美月。
美月「慣れてきたら食堂も行ってみたいね」
清華「そうだね」
隼人「あ、いた」口元のみ
声に反応し、前を見る清華。
隼人の全身ショット。気だるい表情、イケメンオーラ。ネクタイ緩く巻いてる。
清華の目元アップ。何か感じた雰囲気。
目の前まで近づいてくる。
隼人「清華ちゃんだよね?」声小さめ
清華「…はい、そうですけど」
(え、誰?…2年生だよね)
ブレザーの胸元のエンブレムを見た。学年ごとでエンブレムの色が異なる。
美月の方を向く隼人。
隼人「この子俺の婚約者だから、残り時間は俺にちょうだい」淡々と冷たい感じ
驚きで目を見開く清華。唖然とする美月。
美月「あ、はい…」
清華(!? は!?え、こ、婚約者!?えええ、なんの話!?)
隼人「ほら、こっち」
清華の手を引く。
清華(えええええー!!)
連れて行かれる清華を心配しながら見ている美月は隼人の顔を見てふと思う。
美月(あの先輩どこかで見たような…)
○体育館裏
背もたれのないベンチに横並びに座る2人。
清華「あの…」
隼人「なに?」
清華「私の聞き間違いじゃなければ、婚約者って言われた気がしたんですけど…」
隼人「うん、そうだけど」
清華(いやいや、そうだけど、じゃなくて!)
「えっと、たぶん人違いだと思います。私、誰とも婚約した覚えないので」
隼人「清華ちゃんって、勇清さんの妹でしょ?」
清華「え…」
(この人、お兄のこと知ってるんだ…)
隼人「勇清さんから何も聞いてない?」
清華(え、なんのこと…はっ!)
空港での兄の言葉を思い出す清華。
回想
「ま、今度からはあいつが清華を守ってくれるから安心しろ!」
清華(もしかして、あれってこの人のこと!?)
隼人の顔を見る。隼人も清華をじっと見てる。
隼人「これからは俺が婚約者として、勇清さんの分まで清華ちゃんのこと守るから安心してよ」表情変わらず
清華(ちょっと待って!意味分かんない!)
「あの!百歩譲って守るのはいいとして」
(いや、よくはないけど)
「何で婚約者なんですか!婚約の意味分かってます!?」
隼人「結婚の約束ってことでしょ?」
清華「そうです!そうなんですよ!好き同士の2人が結婚の約束をした関係が婚約なの!恋愛どころか、私たち今日が初めましてですよね!?」
隼人「初めましてじゃないけど…」ぼそっと
清華「え?」聞こえてない
隼人(まぁいいや)
「清華ちゃん、誕生日3月だよね?」
清華「なんで知ってるんですか…」
隼人「俺、今月誕生日なんだよね。だからさ、1年後に清華ちゃんが16歳、俺が18歳になったら結婚しよっか」
清華(は?全然話が通じてないんだけど。この人まじで何言ってんの…)
「だから、さっきも言いましたけど結婚っていうのは恋愛の延長にあるもので、好きな人同士がするもので…っ」
話を遮るように、隼人が両手を清華の頬に添え、清華を見つめる。顔近い。
隼人「俺はずっと…好きだけど?」
清華「え…」
それぞれの顔のアップ。
清華(待ちに待った高校生活、どうしよう…波乱の予感)
○日中、空港
兄を空港まで見送りに来ている清華。2人とも私服姿。
清華のめんどくさい顔のアップめショット。
勇清「せいかぁー!元気でなー!離れてても兄ちゃんは清華のことずっと思ってるからなー!」
泣きながら清華をハグする。清華は全く寂しくなさそう。
清華(7つ上の兄は、やりたいことができたらしく、この春から遠く離れた場所へ就職することになった。中、高、大学とヤンチャをしていた兄が真っ当な社会人になれるのか心配ではあるけど…)
「お兄、そろそろ飛行機の時間でしょ?涙拭いてさっさと行く!」
勇清「涙の一つも見せてくれないなんて…相変わらず冷たい妹だなぁ。でも分かってる。本当はすごく寂しいんだよな!」
清華「…。」呆れている
勇清「これからはさ、お前になんかあってもすぐに駆けつけてやれねーから」
清華「もう高校生になるし、自分で何とかするから心配しなくていいって」
勇清「いーや!心配なものは心配だ!それに何歳になろうが俺の可愛い妹だし、女を守るのは男の務めだから。…ま、今度からはあいつが清華を守ってくれるから安心しろ!」
清華(ん、あいつ?なんの話?)
勇清「やべっ、もう時間が!じゃ、着いたらまた連絡するな!」
ドタバタとキャリーケースや荷物を持って走って、手を大きく振りながら去っていく。清華も低めの位置で手を振っている。
清華(もうすぐ私も高校生。どんな出会いが待っているんだろう)
空港の窓から空を見上げている。希望に満ちた表情。
4月
○舞泉高校
入学式の日。
教室前に貼り出されたクラス名簿を同じ中学校だった仲良しの美月と確認する清華。周りにも新入生わちゃわちゃ。ブレザー姿、男女ともにネクタイ。
美月「あ!清華、C組だよ!あ、私もだ!」
清華「ほんと?同じクラスで良かったー」
手を取り合い喜ぶ2人。
○屋上
双眼鏡を覗きながら体育館に入っていく新入生を見ている目黒。立っている。ピアスいくつか付けている、派手な髪色。
目黒「おー、みんな初々しいねー」
その横で座っている隼人の後ろ姿。顔は見えないように。
※隼人は基本的に表情がほぼ変わらない。常にローテンション、ダウナー系。
双眼鏡から見た清華の横顔、または斜め後ろ姿。
目黒「あ、はっけーん。写真で見るより実物のほうが可愛いじゃーん」
隼人「は?」後ろ姿と声のみ。
目黒「ごめんごめん。隼人も見る?」
双眼鏡を差し出す。
隼人「毎日見てるから大丈夫」横顔、口元のみ
目黒「あはは、ストーカーじゃん」
次の日。
○朝、1年C組の教室
窓際1番前の清華の席の横に立ち、話している美月。清華の斜め後ろの席の榎本が話しかけてくる。榎本の横には木梨が立っている。
榎本「ねーねー、2人って同中なの?」
美月「うん、そうだよー」
榎本「そうなんだ。俺と木梨も同中なんだよ。同中組同士、これからよろしくね!」ニコッ
清華(コミュニケーション能力高い人だなぁ)
「うん、よろしく」
榎本「名前言ってなかった。俺は榎本」
木梨「木梨でっす!」
美月「寺岡です」
清華「吾郷です」
ぴくっ、清華の名前に反応する木梨。
木梨「え、吾郷!?もしかして吾郷さんって、勇清さんの妹だったりする?」
清華「そうだよ」
木梨「まじで!?すげー!!」テンション上がっている
榎本「え、なになに?吾郷ちゃんのお兄さんすごい人な感じ?」
木梨「えのもっちゃん知らねーの!?勇清さんは、伝説の不良だぞ!!自分からケンカふっかけることはしない、売られたケンカは絶対勝つ。弱いものイジメしたり、犯罪まがいのことしたりしてるやつはボコボコにする。勇清さんを慕う不良は数知れず。心優しい無敵の不良なんだよ!!」熱弁
清華は引いてる。
榎本「へぇー、有名人なんだねぇ。すごーい!」
清華「そんな大した男じゃないよ。そもそもケンカするなって話だし」
美月「何回か会った事あるけど、すごく優しいんだよ。かっこよくて、頼りになるお兄さんだよね!かなりシスコンだけど」
○昼休み、廊下
お昼ご飯を食べ終え、廊下を歩く清華と美月。
美月「慣れてきたら食堂も行ってみたいね」
清華「そうだね」
隼人「あ、いた」口元のみ
声に反応し、前を見る清華。
隼人の全身ショット。気だるい表情、イケメンオーラ。ネクタイ緩く巻いてる。
清華の目元アップ。何か感じた雰囲気。
目の前まで近づいてくる。
隼人「清華ちゃんだよね?」声小さめ
清華「…はい、そうですけど」
(え、誰?…2年生だよね)
ブレザーの胸元のエンブレムを見た。学年ごとでエンブレムの色が異なる。
美月の方を向く隼人。
隼人「この子俺の婚約者だから、残り時間は俺にちょうだい」淡々と冷たい感じ
驚きで目を見開く清華。唖然とする美月。
美月「あ、はい…」
清華(!? は!?え、こ、婚約者!?えええ、なんの話!?)
隼人「ほら、こっち」
清華の手を引く。
清華(えええええー!!)
連れて行かれる清華を心配しながら見ている美月は隼人の顔を見てふと思う。
美月(あの先輩どこかで見たような…)
○体育館裏
背もたれのないベンチに横並びに座る2人。
清華「あの…」
隼人「なに?」
清華「私の聞き間違いじゃなければ、婚約者って言われた気がしたんですけど…」
隼人「うん、そうだけど」
清華(いやいや、そうだけど、じゃなくて!)
「えっと、たぶん人違いだと思います。私、誰とも婚約した覚えないので」
隼人「清華ちゃんって、勇清さんの妹でしょ?」
清華「え…」
(この人、お兄のこと知ってるんだ…)
隼人「勇清さんから何も聞いてない?」
清華(え、なんのこと…はっ!)
空港での兄の言葉を思い出す清華。
回想
「ま、今度からはあいつが清華を守ってくれるから安心しろ!」
清華(もしかして、あれってこの人のこと!?)
隼人の顔を見る。隼人も清華をじっと見てる。
隼人「これからは俺が婚約者として、勇清さんの分まで清華ちゃんのこと守るから安心してよ」表情変わらず
清華(ちょっと待って!意味分かんない!)
「あの!百歩譲って守るのはいいとして」
(いや、よくはないけど)
「何で婚約者なんですか!婚約の意味分かってます!?」
隼人「結婚の約束ってことでしょ?」
清華「そうです!そうなんですよ!好き同士の2人が結婚の約束をした関係が婚約なの!恋愛どころか、私たち今日が初めましてですよね!?」
隼人「初めましてじゃないけど…」ぼそっと
清華「え?」聞こえてない
隼人(まぁいいや)
「清華ちゃん、誕生日3月だよね?」
清華「なんで知ってるんですか…」
隼人「俺、今月誕生日なんだよね。だからさ、1年後に清華ちゃんが16歳、俺が18歳になったら結婚しよっか」
清華(は?全然話が通じてないんだけど。この人まじで何言ってんの…)
「だから、さっきも言いましたけど結婚っていうのは恋愛の延長にあるもので、好きな人同士がするもので…っ」
話を遮るように、隼人が両手を清華の頬に添え、清華を見つめる。顔近い。
隼人「俺はずっと…好きだけど?」
清華「え…」
それぞれの顔のアップ。
清華(待ちに待った高校生活、どうしよう…波乱の予感)



