「それ、ちょっとわかる気がします」
「でしょう?真白さんなら共感してくれるって思ってました」
その言葉に、ふわっと心が温かくなった。
わたしたちは、パティシエールと画家。
まったく違う分野に属するのに、共感できることがあったなんて。
神城さんはゆっくりと微笑んだ。
笑う彼の横顔は、あまりにも優しくて――
わたしの心に深く刻まれた。
……けれど、その優しさの奥にあるものを、まだ言葉にできなかった。
昼下がりの店は、いつもより賑やかだった。
ガラス越しに見える街の陽射しが柔らかく、常連のお客さんたちの笑い声が店内に溶けていた。
イートスペースの席に座る神城さんは、いつものスケッチブックを開いたまま、ページの端に指を置いたまま動かない。
視線の先には――
笑顔で客と話す、真白の姿があった。
「真白ちゃん、これ、いつものクッキーね」
そう声をかけたのは、この店の常連客であり、同じ商店街でカフェを営む男性だった。
優しい口調で笑いかけるその人に、真白も自然と微笑みを返す。



