溺れるほど甘い、でも狂った溺愛



その名前を見た瞬間、息が詰まった。

煌――そうだ。たしか、そんな名前だった気がする。


震える指でリンクを開く。


画面の中には、見覚えのない作品が並んでいた。

けれど、その色彩を見た瞬間、胸の奥がざわついた。


淡い光に包まれた街、

滲むような空の色。

どこか夢の中の風景のようで――それでいて、甘い香りを思い出させる。


(……スイーツみたい)


思わずそんな言葉が漏れる。

記事にはこう書かれていた。


“本作は、数年前に出会ったある人物との出来事をきっかけに完成したと語る。その出会いが、自分にとっての“原点”だと。”


その一文に、心臓がぎゅっと縮んだ。


(……まさか、わたしのことじゃないよね)


思い違いだとわかっている。

だって、わたしはあの人に何もしていない。

ただ一度、どこかのイベントで会ったと勘違いされているだけ。


それなのに、どうしてだろう。


画面の中の絵を見つめていると、あのときの言葉が頭の中で再生される。


――「あの日のおねーさんのケーキは、たしかに僕を変えてくれたんですよ」