溺れるほど甘い、でも狂った溺愛



そう言って笑う煌の横顔が、光を受けてやさしくきらめいた。


「……じゃあ、次は一緒に作ってみる?」

「え? 本当に?」

「うん。どうせ見るなら、手伝って」

「じゃあ、“真白の助手”として正式に採用してくれる?」

「……考えとく」


思わず笑い合う。

アトリエには、焼き菓子の香りと、ふたりの笑い声がゆっくりと溶けていった。






休日の午後。

窓の外では春の風がカーテンをやさしく揺らし、アトリエの中には、コーヒーと絵の具と、ほんのり甘い焼き菓子の匂いが混ざっていた。


「……ねえ、映画もう一本見る?」


ソファの背にもたれていた煌が、片手を伸ばしてリモコンを揺らす。

わたしはクッションを抱えたまま、ゆっくり首を横に振った。


「ううん。ちょっと目が疲れたから休憩」

「じゃあ、コーヒーのおかわり淹れようか?」

「いいよ。わたしが淹れる」