「まだ言うの、それ……」
「うん。言いたくなるんです、何度でも」
ふっと笑い合った瞬間、張りつめていたものが少しだけほどける。
煌が持っていたペットボトルの水を差し出した。
「ほら。ちゃんと飲んで。今日は頑張った」
「ありがとう……ほんと、すごく楽しかった」
「見てたよ。真白、ちゃんと光ってた。それと可愛かった」
「……また、そういうこと言う」
「事実だし」
言葉の応酬が、心地いい。
きっとこの人と話すと、緊張も疲れも溶けてしまうんだと思う。
荷物を運び終えて、会場の出口を出る。
夜の風が頬をなで、灯りが遠くに滲む。
「帰ろうか」
「はい」
会場前の通りには、帰る出店者や荷物を運ぶトラックが行き交っていた。
その時だった。
前方から歩いてくる女性が、ふと足を止めた。
「……煌?」
その声に、彼の足が止まる。



