「信じたこと、助けようとしたこと――それは優しさです。誰かのために動ける人が、どうして責められなきゃいけないんですか」
「でも、結果的に――」
「結果なんて関係ない」
その言葉は、静かに、でも強く響いた。
「あなたの作るお菓子が“人を笑顔にする”のは、そういう心があるからです。僕はそれを知ってる。僕だけじゃなくて、あなたの作品を食べた人、みんな感じてる」
涙が溢れた。
もう止められなかった。
「煌……どうしてそんなふうに言えるんですか」
「だって、僕が……あなたに救われたから」
息が止まる。
彼の手が、頬に触れた。
「あなたの作品があれば、僕は描ける。あなたが頑張ると、僕も描きたくなる。――だから、そんなあなたが傷ついて泣くのは、もう見たくない」
言葉の熱が、胸の奥に届く。
「……煌」
名前を呼ぶと、彼の目がわずかに揺れた。
次の瞬間、あたたかな腕がわたしを包み込む。
「……もう大丈夫です。もう誰も、あなたを傷つけさせない」
その声は、囁くように優しかった。



