シーツの中に丸くなり縮こまる。息を殺して静かにしていると、愛おしいキルステンの寝息が聞こえた。

本当はこんな風に夫婦で並んで眠る時間があっても良かったはず。私は自分が猫であるという危機的状況にも関わらず妙に切ない気持ちになったまま、彼のぬくもりに身を預け眠りについた。

「エリナ、起きて! エリナ!」

体を揺さぶられて、そっと重たい瞼を開ける。目の前には朝の陽の光に照らされたキルステン。

「にゃ、にゃん(おはよう、キルステン)」
「おはよう、エリナ。昨日のお昼から、かなり深く寝入っているようで心配したよ」
「にゃん? (心配してくれたの?)」