妻、猫になり逃走中! 至急確保し溺愛せよ!

「フェリクスこそ、破廉恥な仮面舞踏会に参加するなんてどうしたの?」
私の疑問に目を逸らしながら、言いずらそうに答えるフェリクス。

「俺は、エマヌエル皇帝陛下の密命を受けてだな⋯⋯。あそこは、貴族の情報交換の場にもなっているんだ」

フェリクスの実家であるダルトワ伯爵家は代々皇室の諜報員をしている。
(なるほどね⋯⋯)

「本当だぞ! 俺はあんなふしだらな場所には興味がない! 仕事の為に参加者を装い出席していたんだ」

小声でムキになる彼を見て思わず吹き出してしまった。私が皇室に嫁入りをしてからはなかった砕けた会話に心が和らぐ。