キルステンが私のつむじにキスをしてきたので、咄嗟に顔を上げた。
愛しむような表情で見つめられ心臓が跳ねる。

「僕もずっと君が好きだった。真っ直ぐな気持ちを向けてくれていたのに、ちゃんと返さなかった。本当に頼りなくてごめん」
「頼れる人だよ。キルステンは。私の呪いもこうやって解いてくれたでしょ」
私たちはそれからこれまでの事について話した。

アルマとの取引内容には驚かされた。
グロスター公爵家に匿われていたアルマと彼は秘密裏に接触して呪いを解くように迫ったらしい。
彼女が取引材料として出したのは、ルスラム帝国がアルベール王国を滅ぼすこと。