原作『愛され過ぎちゃって困っちゃう』の最後は、「愛され過ぎて困っちゃうくらい、今、私は幸せ」という文で終わる。
「愛する人に愛されたい」というのは魔女だって同じ。
私と同じようにアルマもキルステンに恋をしていたのだろう。
失恋し心が折れても、諦められなくてもがき苦しんだ。

私も結婚して妻になってもキルステンに冷たくされて心が折れていた。
猫になったらキルステンから寵愛を受け、自分の姿を失っても彼に愛されたいと願った。

一方的で身勝手な愛。
夢の中だと分かりながら、私はアルマの肩に手を伸ばす。
振り向いたアルマは私を見るなり鬼のような形相に変わり、首を絞めてきた。