手足を必死に動かし抵抗するも、自分の無力さを痛感するだけ。
絶体絶命のピンチに私は残していくフランシスと愛するキルステンを思った。

(キルステン、最期に一目会いたかった)

ギュッと目を瞑った瞬間、アルマの耳をつんざくような叫びがして目を開く。

「にゃー!(キルステン!)」
気がつくと私はキルステンに抱き抱えられている。
こんな場所にいる訳がない彼の登場に私は驚いていた。

見下ろすとフェリクスの姿で肩から脇腹にかけて大きく切られたアルマが転がっていた。