困った時に彼女が頼るのはいつも彼だ。
彼女は僕に恥ずかしいくらいの熱量の「好き」をくれた。

でも、男として頼られない虚しさは日に日に僕の心を蝕んだ。

子供のように純粋な心を、持つ彼女の僕への気持ちは婚約者だから愛さなければならないという義務感がから来るのかもしれない。
いつかその心は他の男に奪われる。
そんな恐れからか、僕は彼女の気持ちを試すような事を繰り返す。

ビルゲッタは賢い。
昼間猫である自分を僕が守り切れないと判断したのだろう。
今の僕にできるのは皇室での確固たる地位を築き、ビルゲッタの呪いを解く鍵を見つけること。

皇宮に戻ると何だか騒がしい。