「申し訳ございません。クリフトン様。フェリクスもごめんね」
私の言葉にフェリクスは顔を赤める。
(もしかして、さっきの愛の告白を本気にしてる?)

「フェリクス、ごめん。さっき、貴方を愛してると言ったのは嘘なの。そうでも言わなきゃキルステンが引かない気がして⋯⋯」
「分かってるよ。でもさ、もう少し夢見させようや」
左手で軽く私を小突いてくるフェリクスに、我慢していた涙が溢れる。
「おい! 大丈夫か?」
フェリクスが心配そうにするので、私は笑えて来てしまった。
どう考えても瀕死の彼が一番大丈夫ではない。

(そうだフランシスは!)