キルステンの本気で驚いた声に私はどうして良いか分からなくてひたすらに下を向く。
自分がとっさに言った言葉に私は顔が熱くなるのを感じた。
(女の子の日だったとか言えばよかった?)

「あ、違くて。その、小さいとか大きいとかではなく。とにかくもう帝国には戻りたくないんです。フランシスもとらないで!」
キルステンが俯く私をぎゅっと抱きしめてくるのが分かった。
その熱い体温に心臓の鼓動が高まる。
本当は彼の手を握り、一緒に帝国に戻りたい。
彼の隣で彼を苦しめる全てのものから守れる妻になりたかった。

「ビルゲッタ素直になってくれ、僕と一緒に帝国に戻ろう」
優しいキルステンの声が耳元でする。